荻上 社会保障に関しては今、(安倍首相から)特に発言が出てきていないので、やっぱ大野さんでも見通し分からないっていうことになるんですかねぇ
大野 うん、あのぉ、やっぱ率直に言って分からないというのと、あと、あのー、基本的にぃ、えっとぉ、まぁお金が無くてもですね、余っていてもですね、ある特定のタイプの支出には、あのぉ、日本社会というのはこれまで、あの、まぁ非常にこれまで、まぁケチくさかったと言うか冷たかったというか。
荻上 まぁ一言で言うと『景気が良かった時もくれなかったじゃん!』っていうのがあるわけですね。
飯田 ウフフフ(笑)
大野 そうですそうですそうです。そういう、まぁ可能性があるなっていうゆうに、あの、あの、やっぱりあの、厚生労働行政側の人たちは、あの、そういう、あの、印象を持つかもしれませんね。
荻上 まぁそうですねぇ。
大野 で今、『自助、共助、公助の精神』っていう風に今、謳ったりしているんですけれども、例えば、こう、演説でこういう風に仰っているんですよね
荻上 ほうほうほう
大野 あの、『単に可哀想な人を救うことではありません。』と。
荻上 うん
大野 『懸命に生きる人同士が、苦楽を共にする仲間だからこそ、何かあれば助け合う。そのような精神であると考えます。』
荻上 うんうん
大野 で、まぁ『もっともだなぁ』と思いつつも、なんかこう、どこかこう、冷たい印象を受けるわけですよね。
荻上 うん
大野 まぁ、本人は一生懸命に生きてても、周りからはそう思われない人が沢山いるわけですよね。
外山 うん
大野 例えば、精神疾患とか精神障害で働けないとか、あの、貧困に陥ってしまうとか
荻上 うん
大野 それから最近だと、まぁ発達障害とかぁ、ボーダーに居る方とか、引き篭もりの人ニートの人。外見じゃ全く分からないけど個人の特性とか社会的環境に生き辛さを抱えている人って沢山いるわけですよね
荻上 うん、そうですね
大野 で、そういう人たちに対する、あのぉ、そういう人たちに対する社会的包摂(
しゃかいてきほうせつ / 国民一人ひとりを社会の構成員として取り込むこと。ソーシャル・インクルージョン。)と言うか、社会に巻き込んで、そういう人たちがどうやって、あのぉまぁ、社会に参加したり働いたりするかっていう方法を、まぁ、一生懸命考えていかなきゃいけないって、大体の人たちは、社会保障政策関係の人たちはみんな思っているんだけど
荻上 そうね
大野 それが一般にどれだけ伝わっているのかなぁっていうのは、こう、あの、逆に私も聞いてみたかったりします。
荻上 なるほど。あのー、飯田さんね、あのー、飯田さんは今回の金融政策の部分には賛成だけどぉ、あの社会政策と言うかぁ再分配については疑問符っていうスタンスなんですか?今回のアベノミクスは
飯田 疑問符っていうか『何も言ってないじゃん!』っていうのが感想ですよね。
荻上 となると大野さんも周りがどのように捉えているのか分からないし、メディアのある種のイメージで『社会保障といったらフリーライダーを切り捨てる話でしょ』っていうとこに行ってしまっているっていう話がありますけどぉ、
飯田 うん
荻上 これはやっぱ、経済学者もぉ経済成長の話じゃなくて、『と再分配』みたいなのをセットでなかなか言わないってことに僕ずっと疑問だったんだよねぇ。
飯田 実を言うと、こういった安倍首相のような、景気対策を中心に、特に金融政策を使って景気対策をするっていうのは、世界中ではリベラル政党の専売特許なんですね
荻上 うん
飯田 専売特許ってのもおかしいですけども、どちらかと言うとリベラル派の政党が好む政策なんです。
荻上 うん
外山 うん
飯田 ところがそれを、まぁある意味保守政党である自民党がやってしまった。で、その意味でも、ちょっとまぁ不思議な掛け違いが起きてるんですけどもぉ、
荻上 はい
飯田 ただですね、福祉政策にまだ何も言っていないっていうは、えぇ、ちょっとまぁ、もちろん『だから関心が薄い』たぶんそれが正解。だけれどもぉ、何も言っていないってことはこれから考えを変えてくれるかもしれない。変えさせることが出来るかもしれないっていう風にポジティブにも取れる。
荻上 あのぉ、でもね、僕『ポジ出し』とか言っておきながらダメ出しですけど、あのぉ、『燃えやすそうだから後に取っておけ』っていう可能性ももちろん有るわけですね。
飯田 もちろん
荻上 だけどぉ、その『燃えやすそうだから』と、もし思っているんだったら、逆にポジ出しとして『こういう様なところをちゃんと押さえましょう』とか『こういった議論をしましょうよ』って風にテーブルに着くことも、まぁ可能ではあるわけですね
と話していた。
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