鈴木 だからハウル(ハウルの動く城)でね、あのぉー、まぁ、キムタクっていう人にね、声をやってもらうことになったでしょ。この時なんかもね、まぁ本当のこと言うとね、ハウルの声をどうしようかって僕ずっと悩んでたんですよ。というのは宮崎駿っていう人は絵の方に専念しているからぁ、ね、声の方まで頭ぁ回らないんですよね。そうすると僕が考えなくちゃならないでしょ。それでね、『どうしようかなぁ』と思って悩んでたんですよ。
他の人はどんどん決まっていくのにね、ハウルだけは決まんない。で、そんなある日ね、まぁ向こうの方から、要するにジャニーズの方からね、要するにぃー、『木村さんがね、ジブリをね、何らかの形でやってみたい』なんてお話があってね・・・それで初めてね、『キムタクねぇ』と思ったんですよ。僕も何となくキムタクくらい知ってたんで。
大田出版社員 ハハハ(笑)
鈴木 ただ僕ね、ドラマも見たことなければ、ね、歌も聞いたことないんですよ。
大田出版社員 フフフ(笑)
鈴木 ここで真面目な人だとね、要するにキムタクのぉ、スマスマとか、それから出た映画って僕は知らないんですけどね、集めてね、みんなで見るでしょ?僕しないんですよ、面倒臭いから。そんで宮崎駿もしない。ホントにしないんですよ、何にも。あとは本番だけなんです。
で、来たでしょ。そん時は僕ドキドキしてるんですよ。『上手くいくかなぁ』って。上手くいかなかったらだって僕の責任になっちゃうでしょ。ところが来て第一声。・・・良かったんですよねぇー。宮さんがね、思わずね、こうってやったんですよ。(※ガッツポーズとかですかね?)
ほれでぇ、感心した。木村拓哉っていう人は・・・ね、普通アニメーションていったら、ね、あのぉー、なんだろ。シナリオをね、要するに持ち込んで、それを読みながらでいいんですよ。ところがキムタクは全部頭に入れてきた。ホントに凄かった。なんちゅー真面目な人だと思ったよ。うん、あれぇ、なんか真剣でしたね。ほれでもうホントにねぇ、スムーズに速やかに収録が終わる?なんてことがあって。
でも今のエピソードで大体わかりますでしょ? 事前にね、何もやんないんですよ僕ら。ホントに。
あのぉー、僕はこれホント、謝らなきゃいけない人がいて、小沢昭一さんですか。謝らな・・僕は実際にはお目にかかったことがないから謝らなきゃいけないですけどねぇ。珍しく宮崎駿がね、もののけ姫ん時にね、あの、ジゴ坊って出てきて、それで『宮さん、誰か好きな人いませんか?』って言ったら『小沢昭一がいい』って言われたんですよ。で僕はね、言っちゃったんですよ。『宮さんねぇ、申し訳ないけど死んでます。』
大田出版社員 フフフ(笑)アハハ(笑)
鈴木 だってね、あのぉー、常にそうなんですよ。常にそうってのはねぇ、これは皆さんに言ってもなかなか分かりにくいだろうけれど、あのぉー、ハウルの時だってね、あのぉ、『ソフィ誰がいいですか?』って言ったら『東山千恵子(注:1980年 満89歳没)』って。これ年取った人しか分かんない。『東京物語』に出てきたお母さんなんですけどね、この方は本当に亡くなっているんですよ。だから言う人のだいたい9割は亡くなっていますからね
大田出版社員 フフフ(笑)
鈴木 僕は小沢昭一さんも見てなかったから亡くなったと思ってたんですよ。
大田出版社員 フフフ(笑)
鈴木 それでぇ、『宮さん申し訳けないけどぉ・・』小沢さんにもホント申し訳ないけど『亡くなった』と。
大田出版社員 ハハハハ(笑)
鈴木 ほれでぇ、『鈴木さん、誰かいないのか?』って言われて、で僕、小林薫さんって思ったんですよね。何でか?僕の頭ん中では声が似てたんですよね(笑)フフフ、それだけなんですけどね(笑)。で、やっていただいたら凄く良かったんでことなきを得たんですが。・・・ちゃんと調べなきゃいけないですね。
大田出版社員 ハハハハ(笑)
と話していた。
・補足画像

もののけ姫の「ジゴ坊」です。
宮崎駿監督がジゴ坊の声優に指名したけど鈴木さんが断ってしまった小沢昭一さんです。
昨年、2012年12月10日に満83歳で亡くなられました。(もののけ姫は1997年公開)
このラジオ放送の10日後に亡くなられたわけですが、鈴木さん会えたんですかね。

ジゴ坊の声優を務めた俳優の小林薫さんです。

宮崎駿監督が当初『ハウルの動く城』のソフィの声優に指名した東山千恵子さんです。
1980年に満89歳で亡くなられています。(ハウルの動く城は2005年公開)
【あわせて読みたい】
鈴木おさむが語る「スマップ木村拓哉のプロフェッショナルぶり」 [ Close ]
最新コメント