2013年7月4日に放送されたTBSラジオ「荻上チキ・Session-22」にて、ジャーナリストの神保哲生さんが安倍晋三首相の憲法改正に関する爆弾発言を紹介していました。第23回参院選の公示を翌日に控えた7月3日に行われた党首討論で安倍首相が立憲主義を否定するような発言をしたものの大手メディアが報道しないことに神保さんは危機感を感じているようです。果たしてその詳細とは・・・? | ![]() |
■会話をしている人物
神保哲生 (ジャーナリスト)
荻上チキ (批評家 / 「αシノドス」「シノドスジャーナル」編集長)
南部広美 (フリーアナウンサー)
南部 先ほど党首討論の、まぁ音声などお聞き頂きましたけど、どんな取材ノートなんでしょう?
神保 あのね、だからぁ、まぁ今回の党首討論、ニュースになっているじゃないですか。で、恐らく色々と経済政策がどうこう色んな話が出ていると思うんだけどね
チキ うん
神保 僕は、物凄い重大な発言が総理からあったと思うんですよ。で、これはもしかしたらそれこそ選挙なんかやっている場合じゃないくらい重大な発言だと僕思っている。
チキ おお
神保 なんだけど、それがスッと素通りされたってことがもっと重大かも・・重大な問題かもしれないと思ったので、今日そこにこだわりたいんですね。
チキ はい
神保 なのでねぇ、ちょっとそこの、まず総理による重大な発言っていうのを聞いて頂けますか。
福島みずほ 私は憲法は国家権力を縛るものだと思っています。立憲主義です。総理はこれに同意をされますか?もし同意をされるとすれば自民党の憲法改正案はこれに則ったものでしょうか?
安倍晋三 はい、えー、まず立憲主義についてはですね、まぁ憲法というのは権力を縛るものだ、確かにそういう側面があります。まぁしかし、言わば全て権力を縛るものという考え方としてはですね、王権の時代、えぇ、専制主義的な政府に対する憲法という考え方であってですね、今、民主主義の国家であります。その民主主義の国家である以上ですね、同時に権力を縛るものであると同時に、え、国の姿について、それは書き込んでいくものなんだろうと私たちは考えております。
チキ あらあら
神保 まぁ荻上さんも重々ご承知のように、結局ね、そのぉ、今ここで何を言ったかというと、日本国憲法は世界に類を見ない新しい憲法にしますって言ったわけ。
チキ うーん
神保 つまり、『憲法』って言葉でも呼ぶべきじゃないかもしれない。
チキ はい
神保 憲法っていう・・・ね、そういう側面があるって言ってる。憲法は、そ、そいうものなんですよ。残念ながら僕日本で、実は日本の学校で勉強しなかったんですよ。そういう風に言われたことがない。
チキ ええ
神保 なんか法律の一番、親玉みたいにしか言われてないかもしれないけど、憲法というのは明確で、そこは。えー、国民の政府に対する命令なんですよね。
チキ うーん
神保 で、あのー、今日7月4日じゃない。で、これ実は慶應の小林節(こばやしせつ/日本の憲法学者・慶應義塾大学教授)先生の受け売りなんだけど、アメリカで、ジョージという奴がいるわけですよ。ジョージ、まぁラストネームはワシントンって言うんですけどね。
チキ うん
神保 彼が・・この7月4日ってアメリカの独立記念日です。・・彼がどれだけ偉大だったかって言うと、彼は、アメリカ、あ、イギリスのまぁ王様の軍に勝ったわけだよね。そうすると本来、その時の時代であれば、まだ民主国家が一個もないんだから、彼がアメリカ国の王様になるのが本来の筋だったわけ。
チキ うん
神保 で、そこで彼が突然何を・・当時で言えば何を頭がおかしくなったか、憲法を作って自分は任期制の大統領になるって言いだしたと。
チキ ええ
神保 王様にならなかったわけですよ。これが全ての始まりなわけ。だから憲法というものを作って、政府を、まぁ縛るというか、政府に国民が主権になって命令をするっていうことでそれが憲法になったわけですよね。
チキ うん
神保 でも、今の話では、今度の憲法、まぁこれ自民党の憲法草案のこと言っているわけだけど
南部 はい
神保 で、自民党の憲法草案ね、ちょっと最初に説明すべきだったかもしれないけど、えー、政府から国民への命令と取れるような文言が沢山入っているわけですね。
チキ ええ
神保 例えば『家族は助け合わなければいけない』というものであったりですね、色々とその政府から命令が入っていると。それがオカシイじゃないか!というのが福島さんの質問だったんだけど
チキ ええ
神保 総理は、憲法には確かに立憲主義ということで国民から政府への側面があると。
チキ うん
神保 しかしながら一方で、国がどうあるべきかっていうこと・・・で、じゃあ聞くけど「どうあるべきか」って憲法に書いたのは誰なんだ?ということになるわけ。そこが一番肝心なんですよ。
チキ そうですね。「誰の意思なのか?」ってことですね。
神保 憲法の名宛人(なあてにん / 手紙などの受け取るべき相手)ってことなんだけどね。えー、政府が、いきなり国民に対して憲法で「こうあるべきだ」って書いてしまっているってことが、これが実は突然もうそのぉ、何て言うんですか、その、立憲主義からっていうよりも、えー、いわゆる民主主義の国から日本は卒業なのか脱落なのか分からないけど、えー、『違う世界に入ります!』って発言したって意味で、本当は僕は今日の発言の中でどの発言よりこれが重大だと思ったんだけど、えー、それがほとんど指摘されないことを見るにつけ、益々それが重大だと思うようになったので、「じゃあ今日なんかやりましょう」って言われた時に『是非これを!』って申し上げたんですね。
チキ もともと国民が主権であり権力の持ち手だから、国が暴走しないように技術が必要だ、道具が必要だ、その手綱に当たるのが憲法っていうのが民主主義の大前提であり、これは古い新しいの話ではなくて近代民主主義ってそういうものですよね。
神保 そうですねぇ。
チキ こういった議論は90年代などにはね、リベラル側からそういう道徳主義的な憲法を作ろうとしていた保守側に対してずーっと応答されてたんですけど、最近の保守系の人たちの議論を見ていると、それに対する応答のパターンとして「いやそれは古いよ」と。あるいは、「そういった側面もあるけど憲法はそれだけじゃないよ」って応答するのが増えてきている。
神保 うん
チキ 最近、産経新聞とかの憲法を改正を求める人たちのコメントを見ていると「立憲主義、立憲主義とばかり言う左翼、日本のリベラルというのはそこにばかり拘っていて憲法の本質を見ていない」っていうような応答をしているんだけど、その本質ってなんぞや?っていうところが常に疑問がある・・。
■更に続けて、自民党の憲法改正推進本部長代行である船田元(ふなだはじめ)衆院議員と自民党の石破茂幹事長へのインタビューを紹介しつつ、自民党憲法草案の決定的な問題点などについて語っていた。
神保 そこはねぇ、すごい気を付けなきゃいけないんだけど、ちょっとこの話を更に聞いてもらうとねぇ、もしかしたら少し見えてくるかもしれない。これ僕自身が取材して、あともう1つ、今日、石破幹事長の記者会見があったんだけど、もう1つは船田元(ふなだはじめ)衆議院議員っていうのが自民党の憲法を作る、まぁ委員会のですねナンバー2、代表代行をやっているんだけども、ちょっと船田さんの話と、その後の石破さんの会見の話、ちょっと連続で出れば出して頂けますか?
神保 あのぉ、それこそ「家族が仲良くしなきゃいけない」って憲法に書いてあると、あの、家族が仲良くしていない・・
船田 フフ(笑)
神保 ・・なかった人をですね、国が罰することが出来るっていう可能性が出てきちゃうわけですよね、憲法で。そういうのを含めて、道徳とかに法が入っている。あるいは憲法が国民にそのなにか義務や命令を科すってことに対しては、これは果たして意見なのかそれとももう本当に憲法学の基本なのかっていう、あの、解釈があるかもしれませんが、ちょっとその部分の批判っていうのがかなり広くあると思うんですが、そこはあのぉ、自民党の憲法の担当者の***(聞き取れませんでした)としてはどのように認識されていますか?
船田 はい、そこは大変難しいところだと思います。
神保 うん
船田 やはり戦後の日本のですね、あのぉ、やっぱり様々な社会の問題、あるいはその、家族の崩壊や更にはいじめとか、そういう問題、あるいはその、多くの人が迷惑をかけるかもしれないけど自分の権利をどんどん主張してしまう。そういうような、そういう風潮というのを無くしていく。もちろんどんな、あの、教育の分野で直すことなどは色んな手段あると思いますが・・やっぱりその、国の形を決めている憲法のところで国民としての必要最小限の、えー、心構え。あるいはそのぉ、生き方。そういうことについて、一定の方向を示させて頂くと、示して行くということは、私としては書かせてもらうことが良いんじゃないかと。
南部 では続いて石破幹事長のインタビューをお聞きください。
神保 あの、自民党は憲法ってものの位置付けを変えられているのか、再定義されているのか。あるいは、あくまで国民の命令としてそのような義務条項を持ち込んだのか。だとすると、政府は今度仲良くするような、助け合うような法律を作んなくちゃいけない。義務付ける法律を作んなくちゃいけなくなってしまうと思うんですけど、その辺のあの、説明をお願いします。
石破 それは答えは簡単で、主権者たる国民が決めること、でございます。憲法がそのような性格、すなわち政府に対する命令という意味を持つことはよく承知をしております。しかし主権者たる国民の権利というものは、また尊重されることも言うまでもありません。仮に憲法の条文でそう定めたからとしても、えー、刑法に家の中で喧嘩しましたということに対する罪が創設されることではありません。
神保 はい。今の前段は私が「ビデオニュース・ドットコム」の為に、あの、船田元衆院議院をインタビューしたものですね。
チキ はい
神保 で、あのぉ、後ろの方は今日、ホントに今日・・
南部 会見の・・
神保 直前ですね。今日の夕方なんですけど、外国人特派員協会で石破幹事長が、あのぉ、自民党の石破茂幹事長が記者会見をやった時の、まぁ質問も私なんですけど、まぁ「同じことばっか聞きやがってしつけー奴だな」って思っているかもしれませんが、あの、聞いたことの答えなんですね。で結局ね、あの、すごいハッキリしていることはコレなんですよ。
チキ ええ
神保 まず、あのぉ、石破さんも言ってたけども、「別にそう書いたからと言って、そこはある種理念を書いただけでそんな法律を作るつもりはありません」と。
チキ うん
神保 ただ、そこで決定的に抜け落ちているのはね、自分たちはそういうつもりだったかもしれない。でも自分たちの次に何政権が出来るかなんて全くわかんないわけでしょ?
チキ そうですねぇ
神保 その人たちがぁ、例えばね、えー要するに憲法の中に「家族は助け合わなければならない」と書いてあると。だから家族が助け合わなかった場合はもう罰する、牢屋に入れるって法律を誰かが作った時に、それを僕らが違憲で訴えても勝てない訳ですね。
チキ そうですね。
神保 「憲法にはそう書いてあるんだから」ってことになるでしょ。だから・・つまり実はこれ船田議員にね、『ただ船田さんね、自分たちは悪意もないし、そんな、そこの憲法を作ったからといってそこの人々の生活にまで介入する気はないと。でもね、船田さん自分たちが政権から落ちて船田さんから見て随分危ねぇ政権だなぁってのが出来ちゃったと。その人たちにこの憲法を渡した時に大丈夫ですか?』つったら「いやぁ、そこはチョットまだ。そこまでハッキリと大丈夫だと言えるとこまで行ってない」って言われるわけですよ。
チキ うーーん
南部 そんなぁー!
神保 だからチョットそこは、まだ憲法がそもそも何であるかっていう基本的な認識。それから憲法というのは自分たちがどういうつもりが有るか無いかなんてことを遥かに超越したものだってこと。それから、もっと言えばさっきのジョージ・ワシントンの話じゃないけども、そもそも憲法が最初にあり気なんですよね。
チキ うーん
神保 あの、日本っていう場所とか風土とかは、もちろん憲法ができる前からずっとあったかもしれないけど、この近代国家としての日本ってのは憲法ができて初めて近代国家としての日本なわけだから、
チキ うーん
神保 そこぉ、その性格を変えちゃうということは、日本の国家としての性格を変えることになるという認識をお持ちじゃないと同時にどうも聞いてた方もそういう認識が無かったと見えて。「この発言は問題ではないか?」と誰も言わないんですね。
チキ そうですねぇ
神保 チョットそこに危機感を覚えまして僕は・・・。『いや憲法にはそういう側面もあるよね。モラルのこと書き込んでいいんじゃない?自民党はだからといってそういう法律なんて作らないって言っているわけだしさぁ』っていうのは、あまりにも何かこう馬鹿げているというかね、幼稚に聞こえたのでチョット僕はコレを皆さんと話したいなと思って今日やってきたんですけど
チキ そうですねぇ。まぁ石破さんの方の発言は、「憲法を作ってもそういった刑法を作るわけじゃない。」とは言っているんですけど、そういった法律を作るのを許す憲法なので、まぁそこは問題をもうチョット改めて欲しいなと・・
神保 許すどころか本来であれば「作らなければならない」と考えるべきなんですね。
チキ そうですね。憲法違反だと。
神保 憲法で、そのような形で縛っているわけですよ。政府に「ちゃんとそれはやらせなさい」と命じているんだから、本来政府はそれを守らせるための拘束力のある法律を作らないと、むしろ政府が違反している。そっちで訴えられたら負けるってことですよ
チキ そうですね
神保 『何で政府は作んないんだ!あそこの隣の家族は喧嘩してるじゃねぇーか!』と。で、『そんなの許されないだろ!?法律を作っていない政府がいけない!』って言ったら政府が違憲状態だってことになるわけでしょ。
チキ うん
神保 だからそこも含めてですね、
チキ そうですね。
神保 で、もう1つは家族の話じゃなくってね。今回のその自民党の憲法草案にはですね、いくつかビックリするようなところがあって、例えばあの、皆さん学校で「表現の自由」って基本的な権利の話、随分やったでしょ?
南部 はい
神保 今回ね、それのそれぞれの条文に必ずこういう文言が付いているんですよ。例えば憲法21条、表現の自由ね。えぇーと、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。」って書いて、二項に「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」と。
チキ うーん
神保 で、この公益および公の秩序っていうのが、さっきの名宛て人の問題があって、誰が決めているのか?誰が何を公益と決め、尚且つどの行為が公益に反する行為かって決めているのかっていうことが、ここには出ていない訳ですよね。
チキ そうですね。
神保 しかもその、そういう・・まぁ例えばだからこれはデモとかですよ、あるいは、まぁ政府を汚く罵っているような言論とかですね、そういうのを禁ずる、あるいはそういうモノに対して公権力を使った時に憲法でそれが認められているって事になりかねない。
チキ うーん
神保 だからコレがまさに自民党が「いや我々はそういうつもりは無いですよ」って言うけど、これが出来てしまうと当然そういうことが出来るという風に判断する、あの、権力が出て・・統治権力が出てきてもおかしくない訳ですよね。
チキ そうですね。
神保 そういう意味で、ちょっとあらゆる人権とかに、このような公益および公の秩序という概念が、制約要因が入っているってことや、さっきの道徳の部分にね、踏み込んでいるってことがぁ・・・その理由ってのが「いやぁ戦後おかしくなっちゃったでしょ?」と。ね、まぁチキさん詳しいように、尊属殺人(そんぞくさつじん / 親や親せきなど近親者同士での殺人)なんか戦後直後の方が何十倍もあって今は物凄い減っているわけですよ。
チキ ええ、戦後の方が沢山ありましたねぇ。うん。
神保 ただ、それは今情報が発達しているから、もう小っちゃな事件でも物凄く大きく報道されるから、まぁ体感治安とかそういう意味では悪くなっているけど、でも実際は何の根拠もないです、「今世の中はおかしくなっている」って。
チキ そうですね。いじめという問題も出されましたけど、いじめという問題も過去と比較して悪化しているということはないです。これはデータを見ればハッキリしているんですが、ただ様々な起草事実が間違っていて、だからこういったアウトプットが間違えているという話ではなくて、僕はやっぱ変えたい口実に「こんなに社会はおかしくなっているでしょ?」っていう根拠になるモノを後出しで出しているので、そういった議論の仕方は本当に世の中をね良くしようと思っている政治家の発言だとは僕はそもそも思えない態度だと思いますけどねぇ。
■更に、戦略的に酷い憲法草案を見せ玉として使っている可能性について語っていた。
神保 ただねぇ、ここまで言っといて最後ちゃぶ台返しみたいなのをひとつ言っといていいですか?
チキ はい
神保 あのねぇ、自民党の中にはそこまで計算する方は居ないのかもしれないけど、どうも統治権力って面白い・・こう動き方をね、する。それは誰かが計算しているっていうより何故かそういう風に自然と動くみたいなんだけど
チキ はい
神保 例えばこういう場合ってのはね、えー、ホントであれば一番変えたいところってのがあると。
チキ うん
神保 例えば仮に9条だとしましょう。
チキ ええ
神保 で一方で、9条はともかくとして、何か訳の分からない家族がどうこうとかね、あと表現の自由だの基本的な人権に制約が入っているような条文が同時に入っていると。
チキ はい
神保 当然批判はそっちに集まるけど、9条について真面目な議論をしているって何かこれは・・何ていうんですか、ちゃんとした議論に思えて、むしろ「もっと酷いものが有る!」ってそっちに皆の批判が集中すると。
チキ うん。見せ玉というかサンドバッグを用意しておいて、そっちを戦わせている内に・・
神保 でね、結構僕は今までそれが意図されたものか分からないけど、そういう事が繰り返されてきたのを、えー、これまで見てきたんですね。
チキ 法律でもそうですね
神保 法案なんかでも、明らかに酷いものを投げ込んどいて、そこに批判が出たら、なんか公明党が主張したとかって理由でそれを修正すると。で結局、もう一個本当は問題があったんだけど、そっちが生き残っちゃう。
チキ うん
神保 で、もしかすると、ある人たちにとってはそっちが本丸かもしれないっていうのがあるでしょ。
チキ はい
神保 だから、まぁ確かに今言ったような問題って、とっても大事なんだけど、何かホントに酷いものを見せられたからチョット酷いものがまともに見えるみたいな話ってのは気を付けなきゃいけないところもあるので、あのぉ、酷いものは酷いものと認識しつつですね、やはりその辺も十分に注意しなきゃいけないという風に、僕は思って見ているんですけどね。
チキ そうですね。まぁその酷さ、見せ玉の可能性ももしかしたら一部あるかもしれないが、ただ設計思想というのは全体として一致しているわけですよね。
神保 コレはもう、コレは・・
チキ 立憲主義から反して、ある種の道徳、特定の人たちが考える道徳というのを全ての国民に共有させることが善行なんだと、いうようなある種の発想ですね。
神保 うん
チキ 自分たちの思想と同じ人が増えれば増えるほど世の中良くなるという発想。そうしたものがこの憲法草案に込められている点では揺るぎないですよね。それ自体が民主主義を否定する態度であるということも、まぁ付け加えなきゃいけないことですけどね。
と話していた。
■補足:こちらの記事も参考になるはずです。
・宮台真司が語る【改憲派だけど96条改正に反対する理由】
→ 民主主義の本義、憲法の本義について丁寧に解説しています。中華人民共和国憲法やソビエト憲法が憲法と名前が付いても憲法ではないように、自民党の憲法草案はもはや憲法ではなくなっているそうです。
・伊藤真弁護士が語る『ご存知ですか?日本国民は憲法を守る義務なんてありません。』
→ 司法試験のカリスマ、伊藤真弁護士が日本国憲法と立憲主義について分かりやすく解説しています。
・憲法学者・木村草太が語る憲法そもそも論【改憲論への回答】
→ 憲法改正後に『頭がよくて邪悪な人間』が登場する危険性や、『日本国憲法は時代に合わなくなったから改憲する』とういう意見についてなど、今回の神保さんの話を補足するようなことが語られています。
■補足:ぜひ音声で聞いてみてください!
今回書き起こした記事は期間限定で番組公式サイトで無料公開されています。公開期間は1週間。7月10日には音声は削除されます。無料ですから今のうちにダウンロードだけでもしてください。文字を読むより分かりやすいです。
音声ダウンロードはこちら→ http://www.tbsradio.jp/ss954/2013/07/2013073.html
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