青木理が語る『主権回復の日と憲法改正。安倍政権の矛盾。』

04:58

2013年4月8日に放送したTBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」にてジャーナリストの青木理さんが安倍政権が制定を検討としている報道されている(その後、正式に決定した)『主権回復の日』について語っていました。サンフランシスコ講和条約が締結した日を主権回復の日とした安倍政権。そこには2つの問題があるようです。ひとつは沖縄。もうひとつは憲法改正。青木理


■会話をしている人

青木理 (あおきおさむ / ジャーナリスト)
荒川強啓 (フリーアナウンサー)
片桐千晶 (フリーアナウンサー)


 

補足:『主権回復の日』と『沖縄におけるサンフランシスコ講和条約』

政府は2013年4月12日午前の閣議で、サンフランシスコ講和条約が発効した1952年の4月28日を「日本が7年に及ぶ占領統治から独立を回復した節目の日である」として、4月28日を「主権回復の日」とすると正式発表。天皇皇后両陛下も出席する政府主催の記念式典を開くことが決定した。しかし日本政権が独立を祝うこの日は、沖縄、奄美、小笠原がアメリカ政権下に組み入れられた日でもある。そのことから、沖縄県民には「日本国から切り離された『屈辱の日』」と受け止められている。仲井眞弘多沖縄県知事は既に政府主催のこの式典への欠席を発表している。



青木 これ、サンフランシスコ講和条約が発行した日が4月28日だと、いうことで、これを『主権回復の日』って言うんですけど、これまぁ佐藤さん(毎日新聞論説委員の佐藤千矢子)が仰ったように、沖縄にとっては、アメリカの占領下に置かれるわけですから逆に『屈辱の日』と

荒川 屈辱の日
片桐 うん

青木 で、これね、その、4月28日ってサンフランシスコ講和条約の日なんですけど、実を言うと、日米・・旧日米安保条約が発効した日でもあるんですよね

荒川 うーん

青木 つまり、日米安保条約への評価ってのはともかくとして、当時そのぉ、アメリカの対日外交を主導したダレスさん(ジョン・フォスター・ダレス)って人がね、こう言っているんですね。日米安保について

荒川 ダレス国務長官

青木 いや、ダレス国務長官じゃなくて当時の国務省の顧問ですね。当時は顧問だったんですけど

荒川 はぁはぁ

青木 えぇー、これが言ったのが『日本に我々の軍隊を望む場所に望む期間だけ駐留させる権利を確保できるか、これが根本問題だ。』と、言って旧日米安保条約がまぁその通りになった、わけですね。つまり、日米地位協定だとか日米安保条約によって基地の使い方とかって常にアメリカが勝手に決める、だからオスプレイの訓練もアメリカが決めてやると。

荒川 そ、そ、その望むぅというのは、いまだにそれは効力があると?

青木 続いているんですね

荒川 うわぁーー

青木 だからこそ沖縄に70%(注:正確には73.8%)の基地を・・があるわけなんですけども

荒川 あぁー

青木 って考えると、サンフランシスコ講和条約が発行した日ってのは、これ主権を回復した日って言うよりも、むしろ対米・・その追従のね、原点なわけなんですよね

荒川 スタートの日なんだね
片桐 うーーん

青木 そう。僕、だから思うのは、憲法改正ってのを安倍政権は押し立ててますよねぇ。それはまず是非はあるでしょう、是非はあるんだけども、でも彼らがよく言うのは『これはアメリカ軍の押し付け憲法だ!』と・・

荒川 うん

青木 言ってるわけですよね。『だからコレは変えなきゃいかん!』。

荒川 ええ

青木 でも一方で、『(サンフランシスコ講和条約が発行した)1952年の4月28日が主権回復だ』と

荒川 うん

青木 これアメリカに追従していく原点の日を主権回復の日と言いつつ、『憲法改正はアメリカの押し付けだから!』って言うのは、これまぁ一種支離滅裂というかね

荒川 ホントだ!
片桐 うーん、矛盾してますねぇ

青木 そうそう、漫画みたいな話じゃないかなぁと僕は思うんですよね。

荒川 うーーん

青木 でコレは佐藤さんも仰っていた通り、やっぱりこの日を、沖縄のことを佐藤さんは『忘れてたんじゃないの?』っていう風に仰っていましたけど、僕もそういう予感はするんですけど、この日を『主権回復の日』っていう風にして祝うというかね、記念するってのは、まぁちょ・・・勘違い、根本的な勘違いがあるんじゃないですか?っていう気はしますですよね

荒川 うーん。アメリカ従属のスタートの日とも言わなきゃいけない。それを忘れて・・それも忘れてたりして!

青木 あ!そうかもしれないですね(笑)。でもご都合主義的ですよね。その、『憲法を押し付けられたんだ!』って言いつつ、その日を『主権回復の日』って言うのはね。

荒川 ですねぇ


と話していた。
 



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