山口香が語る体罰指導 『強化コーチの役目はやり過ぎる選手を止めること』

17:14

2013年4月18日に放送されたTBSラジオ「荻上チキ・Session-22」」には、筑波大学大学院准教授で女子柔道界のパワハラ問題告発でも大きな役割を果たした山口香さんが登場。「スポーツ界から暴力をなくすには?」というテーマで話がされていました。山口さんが体罰による指導について苦言を呈していました。山口香

■会話をしている人物

荻上チキ (批評家 / 「αシノドス」「シノドスジャーナル」編集長)
南部広美 (フリーアナウンサー)
山口香 (柔道世界選手権 金メダリスト / 筑波大学大学院准教授 / 全日本柔道連盟女子強化委員 / 東京都教育委員会教育委員)


 
山口 私やっぱりスポーツをね、いくつかのやっぱり場面ごとに見ていかなきゃいけないと思うんですよね。

チキ うん
南部 うん

山口 だから、強くしたいクラブもあるし、強くならなきゃいけないチームもあるし、そこではもちろん厳しい指導だったり、そこではもちろん選手も望んでますから。逆に言うと、厳しくしなくたってやる選手が揃っていると考える必要がありますよね。

チキ ほうほうほうほう
南部 うんうんうん

山口 でも、ヘラヘラしてやりたいスポーツだってあっていいんですよ。

チキ うんうん

山口 だって大学のサークルとか同好会ってそういう・・・ことじゃないですか?

チキ まぁキャッキャするためにね、あえてそれをダシにしているって所もありますよねぇ

山口 でしょ?でもそれで何が悪いのかと私は思いますよね。あの、全てが強さに向かう必要はないんですよ。

チキ うん

南部 うん、確かになんか、スポーツ、私スポーツ経験があまりないので・・・そんなに強くならなきゃダメなのかなぁって、こういう体罰のニュースを見る度に・・

山口 逆に強くしようと思うクラブやチームってなった時にですね、コーチの役目は何かって言ったら、『やり過ぎる選手を止めること』ですよ。

チキ うん
南部 うん

山口 強くなりたい選手っていうのは頑張りすぎちゃうんですよ。

南部 あぁー

山口 私なんか選手を見てた時も、『もうこれ以上やったら怪我するよ!これ以上やったら疲れちゃって試合にならないよ!』。でもやりたくてしょうがない。『頑張らなきゃきっと負けちゃう』ってきっと思う。でもそれを止めてあげるのが逆にコーチの役目で、逆に後ろから押してやろうっていうのは動機付けがある意味できていない。

チキ うーん

山口 ただ、中学校高校の子供たちっていうのは、まだその、何て言うんでしょうね。自分でやるってことに慣れていないからね、そこは上手く動機付けをしてあげることは必要だけど、やらせて強くする必要っていうのは、私はないかなぁって思います。




■ 更に、『厳しい指導があったから自分は強くなった。体罰を一律に悪とするのはどうかと思う。』という様なリスナーからの意見を受けて、次のように話していた。


山口 まぁそれが良い体験として残っている場合もありますけれども、あのー、非常に強い体罰を受けたりだとかですね、あのー、恐怖感を与えられてやらされた子っていうのは、今度やらされないと出来ないようになるっていうのも私は反面あると思うんですよね

チキ うん

山口 ですから、スポーツの場面では目標があるから、それに向かって突き進んでいく。でも社会に出た時どうでしょうね。社会に出た時は誰も目標設定してくれないんですよ。金メダルないんですよね。

チキ ええ

山口 ですから自分で目標設定して、自分を叱咤激励してやっていくしかないんです。

チキ うん

山口 だからそのサポートをするというのが本来スポーツのコーチングのあり方であって、『やれやれ!』ってやったら、いつまでもコーチが社会に出ても居てくれればいいですけども、そこはやっぱりどこかで切り替わるわけですよね。

チキ うん

山口 ですから、なるべく早い段階から、やはり、うーん、指導者っていうのはそういう人間を作るような・・・

南部 うんうん

山口 価値観を持ってね

南部 スポーツを指導しているんだけども、そのスポーツが無くなっても、その中に流れているものっていうのがその人に活きな・・活きる指導をしなければっていうことですよね。

山口 そうですね


と話していた。
 
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