2013年3月31日にTOKYO FMで放送された「陰山英男のトップアスリートインタビュー」に、ロンドン五輪柔道男子60kg級銀メダリストの平岡拓晃選手が登場。平岡さんが、柔道人生で対面した逆境を振り返って話してくれていました。往々にしてメディアは勝者のストーリーしか伝えないものですから、平岡選手のように苦汁を味わった人間のストーリーは非常に貴重です。 | ![]() |
■会話をしている人物
陰山英男 (立命館大学教授・立命館小学校副校長)
平岡拓晃 (ロンドン五輪柔道男子60kg級銀メダリスト)
補足:平岡拓晃選手の北京オリンピックとロンドンオリンピック
2008年の北京オリンピックでは、オリンピックで3連覇中の野村忠宏選手からオリンピック出場権を勝ち取り出場したが、事前練習で左膝内側靭帯損傷をしてしまったこともあり2回戦敗退という結果に終わる。山下泰裕全柔連強化副委員長に「五輪の雰囲気に呑まれたというより気迫が感じられない。」と言われ、上村春樹日本選手団総監督にも「何も出来なかったではなく、何もしなかった。」と言われるなど厳しい評価をされた。
2012年のロンドンオリンピックでは、見事な柔道で決勝に進むも、ロシアのアルセン・ガルスチャンとの決勝で、開始41秒に外巻込で一本負け。銀メダルに終わった。
陰山 北京の五輪がねぇ、ホントにこう、悔しい状態で終わったわけなんですけど、帰ってこられてねぇ、親御さんも当然ねぇ期待をされていたんだと思うんですけども、どんな言葉で迎えてくださったんですか?
平岡 はい。まぁ試合会場に見に来てくれてたんで、負けた後も会いに行くことが出来ず、その終わった日の選手村に帰った日の夜に、電話したんですね、母親の方に。
陰山 はい
平岡 そうすると、あの。『私は胸を張って帰る。』って言ってくれて、
陰山 おぉー、いいなぁ~。やっぱりお母さんだねぇ。
平岡 申し訳ないなっていう気持ちで一杯でしたね。
陰山 なるほどね。
平岡 でもその後にまた、あのー、今監督になられた井上康生さんがですね、僕のアドレスを知らないのに調べてくれて、僕にメールを送ってくれてですね
陰山 はい
平岡 『お疲れさま』と。『周りは野村さん出しとけば良かったとか色々言うけども、それはお前の頑張りを知らない奴が言うから、お前は全く気にする必要はない。柔道辞めるなよ。』っていうメールが届いて、物凄く励まされたというか
陰山 おぉ、なるほどね。あー、やっぱ井上さんも選手のこと考えてサポートしてくれたんですね。
平岡 康生さんは、あのー、もの凄く良い人です。あのー、ロンドン終わった後に、決勝も『行って来い!』みたいなことで送りだされたんですけど、負けてしまって帰った後にですね、えー、『すいませんでした』って謝りに行ったら自分を抱いてくれてですね、あのぉ・・
陰山 はい
平岡 2人で泣きながら、『お前は4年間頑張ったよ!』みたいなことを言ってくれてですね、北京とロンドンと2回励まされたというか救われましたね。あの人のおかげで。
陰山 あー、なるほど。素晴らしい。
と話していた。
コメント
コメントの投稿