--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

山田五郎が語る【児童ポルノ禁止法改定案。効果なく副作用大の理由。】

14:42

2013年5月30日に放送されたTBSラジオ「荒川強啓デイキャッチ!」にて、山田五郎さんが放送前日の5月29日に自民党、公明党、日本維新の会の3党によって衆議院に共同提出された児童ポルノ禁止法改定案について話していました。『児童への性犯罪抑止の効果はほとんど期待できないのに副作用は大きすぎる』と語る山田五郎さん。果たしてその主張とは?

個人的に思ったのは、憲法学者の木村草太さんが憲法96条改正の件で語っていた『将来、頭がよくて邪悪な人間が登場したときの危険性』と通じるところがあるなぁと。規定が曖昧すぎて悪用フリーダムだし、善良市民の正義感を利用して国民を縛る法律を作ろうとしているそのしたたかさに邪悪な賢さが垣間見えて恐怖を覚えます。
山田五郎




■会話をしている人物

山田五郎 (美術評論家 / タレント / コラムニスト / 元講談社編集者)
荒川強啓 (フリーアナウンサー)
片桐千晶 (フリーアナウンサー)



山田 昨日29日ですよね、自民公明維新の3党が児童ポルノ禁止法の改正案を衆議院に共同提出したんですよ。

荒川 はい

山田 で、今国会での成立を目指しているってことなんですけども、まぁコレに対しては日本雑誌協会をはじめ、出版界をはじめ各方面から反対の声が上がってて、まぁ私自身も反対なんです。で、これあのぉ、2010年のね、東京都の青少年健全育成条例の時も問題になりましたけど、この児童ポルノ法関連に反対って言うと、あのぉ、『なんでだ!』って意見が出るわけですよ。

荒川 ええ

山田 『子供を性被害から守る為にね、児童ポルノを取り締まるのは良いことじゃないか!』と。ほとんどの国民が思っているんですよ。

荒川 はい
片桐 うん

山田 それはその通りなんですよ。だ、だからね、改正に反対するのはね、児童ポルノを守ろうとしているように聞こえるんですけど、『そうじゃない!』ってことをまず始めに言っときたいんですよね。

荒川 ほお!

山田 誰だって子供を性被害から守りたいわけですよ。

荒川 ええ

山田 ね。じゃあなぜ反対するのかって言うと、まぁ今回の・・・前の都条例の時もそうだったんですけど、今回の改正が子供の性被害から守るっていう上でほとんど効果が期待できないと。

荒川 うん?

山田 その一方で、この法律を盾に誰でも逮捕できてしまうような危険性を秘めてる。

片桐 うん
荒川 えぇ!

山田 効果が期待できない上に副作用が大きすぎるから反対しているんだってことをまず最初にわかって頂きたいんですよ。

荒川 それは早く知りたいなぁーー。
片桐 ふふ

山田 あのぉー、これね、漫画とかアニメファンだけの問題でしょ?みたいな風に思っているかもしれないですけども、今回は違いますよ。あの東京都の青少年健全育成条例改正の時と同じ状況ですけども今回はまず国家レベルですよ。

荒川 はい

山田 それで、刑事罰の追加を含む改正なんですよ。

荒川 ほぉ!

山田 だから東京都民じゃなくっても、漫画アニメファンじゃなくっても全国民が思わぬところで逮捕される可能性がある内容なんですよ。

荒川 うん!

山田 『私に関係ない』とか言えないんですよ。男女も関係ないんですよ。片桐さんも『私女だから関係ない』とか言えないんですよ。

片桐 うん
荒川 そうなの?

山田 そういう問題なんですね、はい。で今回のこの自公維による改正のポイントは6つあるんですよ。

荒川 うんうん

荒川 で、良い改正もあるんですよ。んで、明らかな改悪と思えるのも2点あるんですけども、まぁ漫画アニメの規制に踏み込んだっていうところがあって、これに反対している人も多いんですけども、今回時間も限られているので僕が最大の問題点であると思う『単純所持の禁止』と『罰則規定』って、ここだけに絞ってお話ししますね。

片桐 うん
荒川 はあはあはあ

山田 で、今回の改正案では、現行の児童ポルノ禁止法・・・これも勘違いしている人が多いんですけど今現在あるわけですからね、児童ポルノ禁止法っていうのがあるわけ。で、それに対して改正で新しい条項を加えようと言っているわけですよ。

荒川 はい。

山田 で、次の2項目を新たに加えようとしています。

荒川 ほう

山田 まずは第6条の2っていう所で、『何人も、みだりに児童ポルノを所持してはならない』(注:正確には『何人も、みだりに、児童ポルノを所持し、またはこれに係る電磁的記録を保管してはならない。』)

山田 所持してはならない。
片桐 所持してはならない。

荒川 うん

山田 で第7条。『自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持したものは1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する。』これ刑事罰が付いたわけです。

片桐 うん
荒川 うん

山田 ね。これいわゆる『単純所持の禁止』っていうことなんですよ。持っているだけでアカンよっていう。

荒川 ちょ、ちょっといいですか?『自己の性的好奇心を満たす目的』ってなんですか?

山田 そうです、それ後で。

荒川 あとで、はい。

山田 フフ、まぁ単純に持っているだけでダメなんだってことじゃないですか。単純所持の禁止ね。

荒川 ああ

山田 で、この規制が必要だっていう根拠は大きく言って3つあるんですね。

荒川 うん

山田 1つは、『児童ポルノを見ることで児童への性犯罪が誘発される』っていう、メディア効果論的な意見。

片桐 うん

山田 それから2つ目は、『買う人を取り締まることで作る人や売る人を減らせるんじゃないか』っていう、そういう意見。

片桐 うん
荒川 うん

山田 で、3つ目は、『海外で禁止している国が多い』っていう、意見ですね。

荒川 はあ

山田 で、まずですね。1番目のぉ、このメディア効果論的なことですけど、これはあのぉ、都条例の際にも皆さん、金曜日のコメンテーターの宮台さん(社会学者の宮台真司)なんかも主張していたように、このメディア効果論の、専門的には協力効果説って言うんですけども、

荒川 ええ

山田 まぁ例えばその、エロ本を読んだらエロくなるみたいな、犯罪小説を読んだら犯罪したくなるみたいな、ことって一見ありそうに見えるけど実は全く根拠のないことだよと。

荒川 はい

山田 で、メディアの効果って表現それ自体じゃなくって、どんな環境で接したかによって引き金になったりするっていう・・そういうことを言っていますよね。だから取り締まるべきは表現そのものじゃなくって、その表現に接する環境に対して制限を加えるべきじゃないかっていう風に言われていますよ。

荒川 はい

山田 それから2番目に、そのまぁ『持つ人をなくせば作る人がなくなる理論』ですよね。これはまぁ一定の説得力があるような気がするんですけども、ただ、今現在単純所持を禁止している国ってのは結構あるわけですよ。そういう国での児童ポルノの数、あるいは児童への性犯罪の数ってのは減ってないんですよね。

荒川 うん
片桐 ふーん

山田 で、日本より多いんですよ。そういう所を見ると、果たしてどれだけ効果があるかっていう問題があります。で、同じ理由で、海外でやっているからといって日本で必ずしもやる必要もないんじゃないかっていうことが言えると思うんですね。だから、これ単純所持の禁止ってのはよくよく考えると児童を性被害から守る上では、あまりと言うかほとんど効果が期待できないと言えると思うんですよ。

荒川 うーん
片桐 うん

山田 でも、『ちょっとでも効果があるんだったらやるべきじゃないの?』っていう意見もあると思うんですよ。

荒川 うんうんうん

山田 だけど、そこで僕が言いたいのは、さっきも言いましたけど、そこにくっついてくる問題点、いわゆる副作用みたいなのが大きすぎるんじゃないかなって思うんですよ。

荒川 ほうほう

山田 まず、今回の改正案では過去に取得したものでも持っていれば犯罪になるわけです。

荒川 以前の持っててもダメなの

山田 はい。あの、よく『宮沢りえのサンタフェどうなるんですか?』みたいな話、昔よく国会で議論でましたね。(注:1991年に発売された女優・宮沢りえのヘアヌード写真集「Santa Fe」。撮影当時は17歳だったとされている。155万部のベストセラー。高校や公立の図書館でも貸し出されている。

片桐 ほぉー

山田 なった、あるわけですね。で、僕、都条例の時にも言ったんですけど、例えば19世紀のイギリスでね、ルイス・キャロルが撮った少女ヌードどうなんだ? (Lewis Carroll:イギリスの数学者、論理学者、写真家、作家、詩人。『不思議の国のアリス』の原作者として有名。少女ヌードを多数撮影している。

荒川 うん

山田 この場合、撮られた少女も撮ったルイス・キャロルももういないですよ。

荒川 ええ

山田 現時点で被害者も加害者もいないじゃないですか。児童を守ることにこれ全く繋がらないじゃないですかっていう問題があるし。

荒川 ええ

山田 それ以上に憲法の第39条に規定された『法の不遡及』ってのがありますよね。『何人も、実行の時に適法であった行為については刑事上の罪に問われない。』っていう

荒川 うん

山田 要するに法律が決まる前に、あの、状態で合法だったものは新しい法律が出来たからって取り締まれないよっていう

荒川 過去には遡らないと

山田 はい。憲法にそういう『法の不遡及』ってのがあるわけですよ。それにも触れてくるんじゃないかっていう問題がある。

荒川 はあ

山田 でね、より大きな副作用としては、そもそも何が児童ポルノかの定義が曖昧なわけなんですよ。

荒川 うん
片桐 うーん

山田 で前に国会で児童ポルノが論議された時に『ドラえもんのしずかちゃんの入浴シーンはどうなんだ?』とかね。

片桐 はぁー、えぇー!

山田 あと、これ男女関係ないですから児童は。『じゃあジャニーズのね15歳くらいの子がね、上半身裸でセクシーなポーズをしているのはどうなんだ?』だとか

片桐 うわぁーー。

山田 そんな話が大真面目に議論されたくらいに曖昧なわけじゃないですか。

片桐 うん

山田 で、『そこは良識の範囲で』って言うかもしれませんけど、『なにが良識なのか?』ってまた堂々巡りになるでしょこれ。

片桐 人によって違いますしねぇ。

山田 人によって違うんですよ。だから人によって違う、解釈が分かれたりして基準が曖昧な問題に刑事罰を科するべきじゃないと僕は思うんですよ。

荒川 うん

山田 これ別の言葉で言えば、逮捕しようと思えばできる状況なわけですよ。だから、わかんないですけど例えば強啓さんがね、けしからんことを、警察を批判するようなことを言ったと。『ちょっとアイツ締めてやらんといかん』と強啓さんのところ探ったら、あの、小っちゃい頃子供とお風呂に入った写真が出てきたと。『どうだ!』みたいな。

片桐 児童ポルノ法に反する!みたいな(笑)

荒川 なんで親が子供とお風呂一緒に入っちゃいけないの?

山田 ね?だからそうなるわけですよ。

片桐 うん
荒川 ならないよ、そんなの。

山田 いやいや、そこが解釈でどうにもなっちゃうからが怖いとこですよ。

片桐 うーーん

山田 強啓さんがいくら違うって言っても。まして・・・これさっきの処罰規定のね7条のところ。強啓さん問題にしましたけど、自己の性的好奇心を満たす目的で、所持していた場合に、1年以下の懲役か100万以下の罰金に処するわけですよ。

荒川 うん

山田 なにが児童ポルノか曖昧な上に、自己の性的好奇心を満たす目的かどうかっていうのを誰がどうやって決めるか。

片桐 うーん
荒川 そうだよぉ

山田 強啓さんもしかして知らないで15歳の、なんかエロティックな水着写真を持ってたと、まぁ仮にしましょうや。

荒川 ない(笑)

山田 わかんないですよ、どっかに入っているかもしれないし、新聞に入っちゃうかもしれないし。

片桐 頑なに否定しますね(笑)

山田 『これ何ですか!?これあなた自己の性的欲求を満たす目的で持っているんじゃないですか?』。・・・これどうやって違うって証明します?

片桐 いやぁーーー。

荒川 何と思われようと、そっちの思い次第だからねぇ。

山田 でしょ?

荒川 『そっちの勝手だろ』で終わっちゃうよ

山田 『そっちの勝手だろ』で終わっちゃうんですよ。だけど『そっちの勝手だろ』に、刑事罰が付いてくるのは、これ、よろしくないんじゃないですか?

荒川 はぁ。持ってるだけでもダメってそういうことかぁ。

山田 しかもその、自己の性的欲求を満たすためか否かみたいなことをじゃあ裁判でやりますよね。それってやっぱり個人の趣味嗜好に司法が介入するっていう問題にもなってきますよね

荒川 うん

山田 だからね、今回の改正案ってのは、子供を性的被害から守るって本来の目的からすると甚だ効果が期待できない上に、これを口実に不当な逮捕や取り締まりとか、あるいはそこまで行かなくても、これ業界の自主規制ですよね。が、蔓延させるっていう、そういう大きな副作用があるんですよ。

荒川 これ地下に潜っちゃうよ。

山田 その問題もありますよね。逆に地下に潜るっていう。

荒川 うん。潜っちゃう。

山田 曖昧なままで処罰の規定をやると、その網の目をぬってドンドンドンドン地下に潜って歪んだ形になっていくっていう問題がありますよね。

荒川 うん

山田 これはね、今国会で慌てて成立させる問題じゃなくって、もう一回ちょっと考え直した方がいい法律だと思いますけどね。


と話していた。
 


■編集後記:日記ブログで逮捕される日

先日、自宅の物置を整理していたらアルバムを発見しました。そしたら素っ裸の児童の写真があってビックリ。何の写真かというと、僕が通っていた公立保育園で毎年夏の終わりに実施されていた「くろんぼ大賞」ってイベントの写真です。

「くろんぼ大賞」とは、要するにひと夏で日焼けを競うイベントです。日焼跡を確認するために児童たちは全裸になって整列。水着で日に焼けていない部分と比較をして日焼け度を競います。

凄くないですか?(笑)。これ今の感覚だと完全にアウト。まず「くろんぼ大賞」って差別的なタイトル。そして日焼けを奨励しているわけで、これも今だと有り得ない。何より考えさせられたのは、その写真、5歳児くらいの児童が20人くらい全裸で並んでいるわけですよ。もちろん男の子も女の子も全裸で写っています。

児童ポルノ保護法で問題提起するなら、時代によって倫理観や文化は変わるものなので、それを法律で規定してしまうと歪みが出てきますよと。

例えば「くろんぼ大賞」。今ならアウトだけど20年前なら何の問題もなかったんでしょう。同じように、今は問題じゃないことが20年後は完全にアウトになっちゃったりするわけですよね。これが怖い。

山田五郎さんは取り上げませんでしたが、児童ポルノ禁止法の改正案の第6条の2はこう書かれています。『何人も、みだりに、児童ポルノを所持し、またはこれに係る電磁的記録を保管してはならない。』 あえて「電磁的記録を保管」について規定しているわけです。電磁的記録とはデジタルデータのことですよね。写真を現像していなくても、デジカメやパソコンにデータとして保存されているだけでアウトですよってこと。

で、思ったんです。20年前に今のようにデジタル器機が普及していたら「くろんぼ大賞」の画像は公に拡散していただろうし、児童ポルノ法に抵触しちゃうんだろうなって。だってデジカメが登場してから写真の枚数制限が実質的に無くなったので気軽に何枚でも撮影するようになりましたよね。で、きっと自分の子供以外の写真も沢山撮るでしょう。図らずとも撮っちゃうでしょう。ブログに掲載する親もいるはずです。じゃなかったとしても、パソコンに画像データを保存しますよね。それ、たぶんアウトです。逮捕できます。事実イギリスでは孫が全裸で水浴びしている写真をPCに保存していたため逮捕された事例があります。

繰り返しますが、倫理観や文化ってのは時代とともに変化するわけで、今は問題ないことも20年後とかは完全にアウトになったするわけです。それなのに過去OKだったものでも今ダメなら逮捕されるんですよ。デジタル器機が普及してソーシャルメディアが浸透したこのご時世、その危険度は20年前の比じゃありません。書いたのを忘れていたような10年前の日記ブログが原因で逮捕とか十分にあり得ます。怖い世の中ですよね。児童ポルノ禁止法は表現者だけの問題じゃないんです。



■追記:次の放送で「電磁的記録」についても取り上げてくれました!

その書き起こしはこちら↓
山田五郎が語る児童ポルノ禁止法パート2【イギリスの児童ポルノ一掃作戦の悲劇】


 
関連記事

スポンサード リンク


コメント

  1. | URL | -











    大半、というか金握らされたやつ以外の国民が反対し政治家も自らに権力与えればTPPは断固やらないと公の場で契約したにも関わらず金のために権力だけ奪って騙し歯向かうものは警察の暴力で逮捕し農家の給料を倍にするなどと露骨に嘘を着いているブルドックヤクザが支配する自称非独裁の民主国家の日本

  2. 通りがかりの牛 | URL | 6urEx/7U

    これ、仕事中に聞いていました

    荒川さんはリスナーにとって耳触りの良いことを言ってるだけに聞こえますが、青木さんと五郎さんの話はいつもすごく納得させられますね。
    私の通っていた保育園なんかは泊まりに行った時に男子も女子も一緒になってお風呂に入っていて、それを写真で撮ってもらって今でもその写真が残っていますが、これもアウトになっちゃう可能性があるんですよねぇ。
    犯罪抑制のためと銘打って各所に防犯カメラが設置され、革命の火種すら出させない。
    自分たちの意にそぐわない者たちは排除する(体制を作る)。
    行き過ぎた社会主義国かっていうね・・・。
    白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき

コメントの投稿

(コメントの編集・削除時に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

Trackback URL
Trackbacks


最新記事


Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。