--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

憲法学者・木村草太が語る96条改正【都合の良いタイミングで実施できる国民投票の危険性】

20:41

2013年5月8日に放送されたTBSラジオ「荻上チキ・Session-22」にて憲法学者の木村草太さんが昨今の憲法改正議論について話していました。

ここ最近、テレビで党首討論が行われていますが、憲法改正について自民党の安倍首相が「国会議員の承認ハードルを下げたとしても国民投票があるんです。反対する皆さんは国民を信頼していないんですか?」という様な発言を繰り返しているのを見て、今回の話を思い出したので音源データを引っ張り出して書き起こしました。



■会話をしている人物

木村草太 (憲法学者 / 首都大学東京准教授)
荻上チキ (批評家 / 「αシノドス」「シノドスジャーナル」編集長)
南部広美 (フリーアナウンサー)


 
木村 『国民投票があるだろう?』って言うわけですけども、国民投票っていうのはタイミングとテーマが大事で、あのー、与党が好きなテーマで都合の良いタイミングで行われる国民投票というのは与党の権威付けの道具にすぎません。

チキ うん
南部 うーん

木村 そうですよねぇ。

チキ そうですね。

木村 例えば、管政権が原発事故の直後に『原発絶対禁止条項を憲法に入れる!』って言って、まぁ可決されたかもしれません、そしたら。

チキ はい
南部 うんうんうん

木村 それで自民党は納得するんですか?たぶん、しないですよね。それはやっぱりあれだけ重要な問題なんだからもっと国会でも議論すべきだし、時間を与えるべきだ。事故の直後、これはアンフェアだ!って言うと思いますよね。

チキ うん

木村 という事であって、広範な合意の元にうつ国民投票と、それから与党が好きなテーマで都合の良いタイミングでうつ国民投票って全然性質が違います。

チキ うーん
南部 うんうんうん

木村 で最後にご指摘いただいたように、ゲームのルールを変えるプレイヤーとはもはやゲームは出来ません。

南部 うーん
チキ ま、そうですわねぇ

木村 だって改憲を成立させたら、じゃあこれからはこの憲法は改憲できませんって条文を変えたりできるわけですから。あるいは4分の3ないとこの条文は改正できないっていう・・

チキ 小学校の時そういう奴いましたよ。あの、サッカーの時に、『俺こっからバリア』とか言って手を使う奴。

南部 居た居た!(笑)居ました居ました。

チキ そいつ大体、愉快な奴で面白いんですけど、あのぉ、それはもう既にサッカーじゃないですね。

木村 ええ。という事ですので、野党の皆さんに頭を冷やして欲しいんですけど、「改憲拒否権を放棄するなんてことはしないでください」と。するとしても、それは政党間の協定でやってください。別に改憲の必要ないでしょ。という風に私は思いますね。



補足:改憲拒否権とは

現行の日本国憲法では国会議員定数の3分の2が賛同すると国民投票に問える。裏を返すと3分の1以上の国会議員が憲法改正に反対すれば憲法改正案は破棄されることになる。これは実質的には拒否権と同じ働きであるため「憲法改正拒否権」と呼んでいる。





■更に繰り返して96条改正の危険性について語っていました。


チキ 安倍さんとかは、国民は2分の1で決められるのに議員の方が3分の2って風に決められないのは国民の意思を踏みにじると言うかですね、ある種こっちの方でちゃんとやれるようにして国民に問うのが、国民に対して憲法を問えるという状況こそが良いんだって話もしてたりするじゃないですか。その辺りはどうですかね。

木村 それは先ほども言ったように、あのー、国民に十分な情報を与える時間と議論のあのぉ・・・時間と議論がある場合、まぁ今の改憲要件ってそうですよね。与野党合意があって出てくるわけですから十分な時間と情報が与えられます。

南部 はい
チキ うん

木村 という状況での国民投票と、与党が好きなテーマで都合の良いタイミングを選べる国民投票というのは全く違います。

南部 うんうん
チキ ま、そうですねぇ。

木村 それを、『国民に問えばいいじゃないか!』って言うのは、それは与党の・・与党というか議会の責任放棄ですよね。

チキ うーん。まぁそうですね。

木村 もちろん、変な改憲案は全部否決します。たぶん96条改憲案がホントに出てきたら国民は野党が改憲拒否権を放棄したいと言っても「放棄しないでくれ!」と言うでしょう。

チキ ほうほうほう

木村 否決するはずです。ですから、国民を信頼していないというのではなくて、国民に下ろす前にきちんと議論をして情報を整理してくれ、そういう条項なんですね。

チキ ちょっと馬鹿な話をするんですけど、あの、こういう風にまぁ・・・発議しやすくなった時に乱発しまくるっていうことも一応出来るわけですよね?

木村 まぁ与党が合意すれば出来ますねぇ

チキ となると今の国民投票とかの法律とかだと、その最低投票率って決めていないじゃないですか。だんだん皆が飽きてきて投票に行かなくなって、結果1発でも合意されれば通るとかになったりする、ある種の牛歩戦術みたいなのが出来ちゃうわけですよねぇ

木村 あのぉ、フランスに詳しい憲法学者の方とこの前意見交換をしたんですが、実際フランスにはそういう例があるそうですね。

チキ あるんですか!!
南部 ふーーん

木村 ちょっと詳しくは分からないですけど、そうとしか見えないケースがあるという・・

チキ お馬鹿なケースとして常に色んな人に言ってたんですけど、無くは無い(笑)

木村 無くは無い

チキ でもそれは怖いですよね?

木村 そもそも、『国民が信頼できないのか?』と言うのであれば、改憲要件をいっそのこと過半数ではなくて3分の1まで下げて、野党にも発議権を与えるべきですよね。

チキ うん。ある種のフェアとして。

木村 与党だけしか持ちませんよっていうのは、全くもう国民の方を向いているようで与党の権威付けの道具としてだけ国民投票を使いますという、非常にあの、人を馬鹿にした案だと思いますね。

チキ 4、5人でも出せるという・・社民党でも出せるというような形に・・

木村 ま、そういう風にするなら、それはそれでチョット考えましょうって感じですけど。ええ。


と話していました。




【あわせて読みたい】憲法学者・木村草太が語る憲法そもそも論【改憲論への回答】
【あわせて読みたい】宮台真司が語る【改憲派だけど96条改正に反対する理由】
【あわせて読みたい】伊藤真弁護士が語る『ご存知ですか?日本国民は憲法を守る義務なんてありません。』
 
関連記事

スポンサード リンク


コメント

  1. | |

    承認待ちコメント

    このコメントは管理者の承認待ちです

コメントの投稿

(コメントの編集・削除時に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

Trackback URL
Trackbacks


最新記事


Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。