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憲法学者・木村草太が語る【集団的自衛権と憲法解釈見直しの動き】

04:11

2013年08月14日に放送されたTBSラジオ「荻上チキ・Session-22」では首都大学東京准教授で憲法学者の木村草太さんを迎えて「集団的自衛権と憲法解釈見直しの動き」というテーマでした。

「集団的自衛権は保有しているが憲法上行使はできない」という現在の解釈は安倍首相の祖父である岸信介首相の国会答弁から生まれ歴代内閣で踏襲されていました。しかし安倍晋三首相は集団的自衛権の行使についての憲法解釈変更について言及し、内閣法制局長官の変更人事をするなど具体的な動きをみせています。そんな中で憲法学者の木村草太さんが集団的自衛権と憲法解釈見直しの動きについて解説していました。
木村草太



■会話をしている人物

木村草太 (憲法学者 / 首都大学東京准教授)
荻上チキ (批評家 / 「αシノドス」「シノドスジャーナル」編集長)
南部広美 (フリーアナウンサー)



補足:集団的自衛権の4類型とは

2007年、第一次安倍内閣時代に安倍首相は集団的自衛権の解釈見直し賛成派を集めた有識者懇談会を開き、以下の4類型について検討を指示した。

(1)公海上の米艦防護、(2)米国向けの可能性のあるミサイルの迎撃、(3)PKOなどで他国軍が攻撃されたときの駆け付け警護、(4)海外での後方支援活動の拡大



■「目の前でアメリカ軍が攻撃されているのに見捨てるのか!」という批判論の事例は空想上の産物である。という話をしていました。

チキ 改めて今の安倍政権の動きについて考えてみたいんですが、あの、そもそもそのぉ、第一次安倍内閣の時に有識者会議ができて報告書にまとめられたわけですよねぇ。

木村 はい

チキ こん時は集団的自衛権についてどういった提言をされていたんでしょう?

木村 えー、今有名な4類型っていう、4つの類型でおかしなことが起こるから、あの、改憲しなければいけないんだと、いうような提案をされていたようですね。

チキ うーん。4類型。

木村 4類型というのはですね、うーん、このうち集団的自衛に関するのが最初の2つなんですけど、よく安倍さんは、そのぉ、『日本を守りに来てくれるアメリカ艦隊があって、それが公海上にあったからといって守れないのはおかしいじゃないか!』って仰るんですけど、それは日本の個別的自衛の範囲で守れるんですね。

チキ うーん。なるほど。

木村 守れないのは現状現状でもそうです。それは安保懇(あんぽこん / 「安全保障と防衛力に関する懇談会」の略称。安全保障と防衛力に関して考えるために設置された首相の私的諮問機関)の記録にもちゃんと残っています。

チキ ええ

木村 4類型のひとつ目ってそういう類型じゃなくって、日本と全く関係なく活動しているアメリカの艦隊が公海上で全く関係なく訓練をしていたと。で、そこでたまたまアメリカ軍にたまたま攻撃を加える国があったと。で、更にたまたまその近くを自衛隊の艦隊が通りかかっていたと。そこで守れなくて良いのか?っていう事例なんですけど。

チキ うん

木村 これは極めて例外的というか、ほとんど空想上の事例だと私は思うんですね。

チキ ほうほうほう、ええ。

木村 たまたまが重なって良いのはいくつまでか?ってミステリーではよく有りますけども(笑)。たまたま公海上で訓練をしていて、たまたま攻撃をアメリカ軍が加えられて、たまたまその近くに自衛艦が居たという、たまたまある事例なわけですね。

チキ はい

木村 でもそれは日本の防衛と全く関係のないところでやっているケースですから、そこで手を出せないのがそんなに不合理かっていう問題はあるわけですよね。

チキ ええ。アメリカはそんなに日本の手を借りないと負けちゃうんですかね、そん時。

木村 フフ(笑)。まぁそういう想定ですねぇ。

チキ という時の想定ですよねぇ

木村 という想定になっていて、で、あのぉ、安保懇の最終的な報告書では、「こんな、現在の自衛権では非常に例外的な場合しかアメリカを守れない」と。

チキ うん

木村 で、「こういうノーマルな事例も守れなきゃおかしいんだ!」って言うんですけど、どっちがノーマルなのかはさっぱり私はわからないんですね。



■次に、ミサイル防衛システムについての議論も時期尚早という話をしていました。

チキ なるほど。4類型については、いくつかの報道もあってですね、その報道にも詳しく書いていますけども。例えば「アメリカに向かう可能性がある弾道ミサイルを日本のミサイル防衛システムで撃破する」っていうパターンとか・・

木村 技術上現在はできないので、将来できた時にどうするかって話をしなきゃいけないところで、あたかももう今ミサイルを撃ち落とせるというようなことを前提に、「出来ないのはおかしい!」って議論になっているんですけど、それは長期に、技術的に出来ていく中で考えていけばいいことであって、今すぐやんなきゃいけないって話じゃないんですね。

チキ うん

木村 今すぐ解禁したからといって、『速度が全然違うので事実上アメリカに向かうミサイルを撃ち落とすことは出来ません』って昨日もニュースに出ていましたけども、技術上は出来ないわけですよ。




■次に、「戦地に丸腰のまま自衛隊を送るなんて!」という批判論に対して、見解を述べていました。

チキ うん。それとPKO(国際連合平和維持活動)で自衛隊が外国軍を後方支援するという類型。

木村 PKOへの参加は安全な地域にしか送っちゃいけないってことになっていて、そういう事が想定される所に送ること自体が政治のミスなわけですね。

チキ うーん

木村 で、あの、もちろん「そういう在り方で良いのか?もっと国際貢献すべきじゃないか?」って議論はありえますけど、やっぱ想定しているケースが今すぐ起きるかのように言っているのがオカシイなって思いますね。

チキ それと最後にですね。国際連合平和維持活動、PKOで他国部隊が攻撃されて自衛隊が駆け付けて反撃する、駆け付け警護の場合。

木村 はいはい。これもそういう事が生じうる所に送らないというのが現在のPKOの基本原則ですから。

チキ うん

木村 ですから、「間違って危険な地域に送ったら戦闘が行われて反撃しなきゃいけないよね」ってシュチュエーションを想定している訳ですね、それは。あの、4類型ってのは。

チキ うん。はいはい。

木村 政治のミスから起きている事態ですから『ミスをやめてください』ってことになるわけです。

チキ そもそも

木村 そーいう判断しかできないんだったら、そもそも派遣しちゃいけないんですよ。

チキ うーん、確かにそうですねぇ。

木村 だから判断能力が大事なんですよ。

チキ うーん

木村 あの、政権がどれだけ海外派遣についての判断能力を信頼できますか?っていうところが問題の本質で、

チキ あの、『政府がバカでね、そんな所に派遣されてしまう自衛隊の人たちは何のピストルも持たされないと可哀想じゃないか!』って言われたらどうします?

木村 いや、ですから(笑)。

チキ ふふふふ(笑)。自分で言っていて何だなと。

木村 政府が、そういう所に送る人がバカだっていうことですよね。

チキ そうですねぇ

木村 そりゃ「送らないでください」って事になるんですよ。

チキ 政府に怒ってくださいと。

木村 ピストルしか持てないという前提で送れるところを判断してくださいって事ですね。

チキ なるほどなるほど。



■次に、改憲派同士で足の引っ張り合いをしている現状について指摘していました。

木村 で、判断能力とか信頼が非常に重要なところで、タイムリーエラーをポロポロするってのが問題で、改憲派の人たちは凄く怒っている訳ですよ。

チキ うんうん

木村 あの、「国際貢献の為に憲法を変えて国連の活動に積極的に参加しよう」と、いう非常に崇高な国際貢献の理念を訴えようとしたところ、ナチス発言とか慰安婦発言とかポロポロ改憲派から出てくると。

チキ うーん

木村 足の引っ張り合いもいいところですよね。そういう発言も出ずに「我々は清廉潔白です」と。「判断能力もあります」とアピールしなきゃ改憲派は指示を集められないところでタイムリーエラーをポロポロするわけで、本気の改憲派の人たちは非常に怒っているところですね。

チキ まぁあの、今の政権は特にそのぉ、ナショナリストだと海外でよく報じられたりするってことのぉ、イメージがやっぱり、戦争をするってことは違法で犯罪なんだけど、どう使うのかって国際貢献とはまた違うんじゃないか?ってねぇ、憶測を呼びうるものを抜いていく、あの、そぎ落として行かないと本来はいけないわけですよねぇ

木村 例えば韓国については「日本が集団的自衛権を行使しますよ」ってことになったら、あのぉ、たぶん日本の集団的自衛権で守ってもらう側の方に入ってくると思うんですよ

チキ うーん

木村 中国はちょっと微妙だと思いますけど

チキ はい

木村 で、その韓国が集団的自衛権の解禁を歓迎しないっていうのは、そういう疑念がまだまだ強いっていう事だと思いますね。

チキ うーん。まぁこの4類型の元に有識者会議が報告書をまとめてってことだったんですけど、でも今話があったように、そもそも安全の所にしかこっちは行けないんだっていう前提でぇ

木村 現状はそうですね。

チキ でも『どこが安全な所かって私に聞かれたって分かるわけがない!』って答えた首相がいますよ

木村 ですから(笑)。だったら送る能力が日本政府に無いってことです。

チキ でも送っちゃいましたからねぇ(笑)。

木村 その判断自体が問題だってことですね。

チキ そこの反省点を抜きに、こうやって解釈改憲で集団的自衛権を認めたら本当はいけないっていう方向で、そのぉ、改憲派も怒るべきなんじゃないですか?

木村 ですから怒ってらっしゃる方も結構いるんですよ。

チキ ええ

木村 あの、「何を考えているんだ!」と。あのぉ、清廉潔白をアピールしなきゃいけない。判断能力が高いってことをアピールしなきゃいけないところでポロポロ問題発言をすると。「なに言ってんの!」って改憲派の方は沢山います。


と話していた。
 
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