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毎日新聞論説委員・佐藤千矢子が語る【韓国との戦後賠償問題まとめ】

04:27

2013年8月1日に放送されたTBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」の佐藤千矢子さんの韓国との戦後賠償問題についての話です。慰安婦像問題や慰安婦賠償問題、徴用工への賠償問題など問題が大きくなってきていますが、佐藤さんのこの話が一番分かりやすいと思ったので、ちょっと古いけど保存音源を引っ張り出して書き起こします。

一番のポイントは、一口に韓国といっても韓国政府・韓国司法・韓国国民・韓国メディアなど様々なプレイヤーがいるということ。そして韓国政府は日本の唯一の味方だってことですかね。
佐藤千矢子


■会話をしている人物

佐藤千矢子 (毎日新聞論説委員)
山田五郎 (美術評論家 / タレント / コラムニスト / 元講談社編集者)
荒川強啓 (フリーアナウンサー)
片桐千晶 (フリーアナウンサー)



■賠償放棄で合意したはずなのに韓国が戦後賠償を求める理屈


佐藤 一昨年の年末にですね、えー、ソウルの、ソウルの(日本)大使館の前にね、少女をかたどった慰安婦の像が設置されて、それと全く同じ像がアメリカで作られたと。

荒川 ええ

佐藤 もう既にアメリカの東海岸には2つくらい、それはたぶんモデルが違うと思うんですが。で、西海岸に初めて作られて、更に10くらい、韓国系の団体がそういう計画をしているという話なんですね。

荒川 はい

佐藤 でー、これは日本政府としてはもちろん受け入れられなくって、あのー、ちょっと背景にどんな話があるかって言うと、先々週にあのぉ、韓国人の元徴用工(徴用工とは戦時中に国家の命令で働かせられた人々)に損害賠償をするっていう裁判、判決が出たって話をして・・

荒川 はい、戦後補償

佐藤 戦後補償。似たような判決が今月実はもう1件出ているんですが。その、戦後補償問題ってのが今、火を吹いていて日韓の間で。で、コレもそうなんですね。前も話ししたと思うんですけど、今から50年近く前の1965年に日本と韓国は国交正常化をして、そん時にその、「戦時中の賠償問題どうしましょう?」とかって話が随分揉めたんですけど、結果的には韓国側は「賠償を請求するのは一切放棄します」と。

荒川 はい

佐藤 で、その代わり日本側は経済協力って形で、えー、有償無償資金協力を合わせて総額8億ドル以上、相当な額なんですが、『その経済協力をします』と。『後は好きに使ってください』と。もちろんそれを韓国政府が個人の賠償に使っても良かったわけなんですが、まぁ当時のパクチョンヒ政権はインフラ整備、まぁ色んな経済発展、国を富ませるのに使ったんですね。

荒川 うん

佐藤 で、しかしながら、えーっと90年代の初めになって日本政府があのぉ、慰安婦問題を公式に認めたっていうか、1993年の宮沢内閣の時に河野官房長官談話というのを出して、まぁ慰安婦について謝罪とお詫びの気持ちを表明したということで、改めて問題になってしまって。で、韓国側から見ると「50年近く前の国交正常化の時は日本政府は慰安婦問題を正式に認めていなかったじゃないか」と。で、「90年代になって認めたんだから、あの協定で賠償を放棄したってのは慰安婦はそこに掛かっていないんだ」と。つまり、「新しくあなた達が認めたんだから、やっぱり国家賠償をすべきじゃないですか?」と。「あの協定はあの協定で」と言いだして、

荒川 あー。
山田 そういう理屈なんだ。

佐藤 日本側からすれば『そうじゃない』と。それはもう協定ってのは国際合意ですから、でその時に賠償放棄をしたんだから、それを今さら国家賠償をしろってのはおかしいじゃないですか。

荒川 うーん



■戦後賠償問題が再燃した直接の理由は韓国最高裁の判決


佐藤 ただ、それだけじゃやっぱり通らないってのも日本政府も分かっているので、『国家賠償はできないけども何か他のことをやりましょう』ってことで、村山内閣、1995年96年くらいの時に、村山政権の時にアジア女性基金(正式名称は財団法人女性のためのアジア平和国民基金)っていうまぁ団体を作って、政府もそこにお金を入れて支援をしながら、まぁ政府の国家賠償って形じゃなくてそこの団体が、えー慰安婦の、元慰安婦の方々にお詫びと償い金を出すっていう事業をやったんですね

荒川 あー

佐藤 それは韓国軍だけじゃなくてフィリピン人の方と、あとオランダ人の方とか台湾人の方とか慰安婦の方は沢山いますから。で、そういう方々に、まぁ国によって違うけどお1人300万円くらいの償い金を払って、あと当時もう村山さんから橋本龍太郎さんに総理が代わってて橋本龍太郎さんのお詫びの手紙ってのを付けて、皆さんに渡したってことをやって、だいたいの国が受け取ったんですけど、最後韓国は、あのぉ元慰安婦の方には受け取りたいって方もいらっしゃったんだけども挺対協(ていたいきょう)っていう有名な、韓国挺身隊問題対策協議会っていう、まぁ慰安婦問題をすごく熱心にやっている支援団体があって

荒川 うん

佐藤 まぁそこがある種、受け取るなって言ったらちょっと言い過ぎかもしれないけど、そういう、まぁ受け取らせなかったっていう風に動いたっていうところがあるんですけど

荒川 ええ

佐藤 それでアジア女性基金は結局、対韓国ってことは上手く事業がいかなかったんですね。

荒川 はぁー

佐藤 それで余計に「何もやってないじゃないか!」って話になって、しかも、まぁ今日麻生さん(麻生太郎副総理)のね憲法改正に関する問題発言(憲法改正はナチスを見習うべき等の発言)がありましたけど、日本の政治家はしょっちゅう問題発言をするので、慰安婦の問題でもこの間、橋下徹さん(大阪市長。日本維新の会共同代表)の発言(当時、慰安婦制度は必要だったし日本以外も慰安婦を活用していた等の発言)もありましたし

荒川 ええ

佐藤 そうすると、「日本は国家賠償をやらない。アジア女性基金?あんなものは大したものじゃないし受け取らなかった。政治家はしょっちゅう問題発言をする。何にも反省をしていないじゃないか!」っていう世論だけが勝手に起こって・・・っていうことに今至っているんですね。しかも、えーと、一昨年の8月に韓国、韓国の最高裁が、あのー、韓国政府に対して「慰安婦問題で政府がもっと努力をしないのは違憲だ」って判決を実は出しちゃったんです。ここの所、ここ2、3年の慰安婦問題の盛り上がりって直接的にはそれが引き金になっているんですが

荒川 はぁ

佐藤 一昨年の夏に、えー、韓国の最高裁、大法院ってところが・・・つまり韓国政府ってのは今回のこともあんまり、慰安婦の設置、像の設置のことについても、あんまり動いていないし言っていないのは、一応彼らは協定、日本と50年前に協定を結んだ当事者、政府間で協定を結んでいるわけだから

荒川 ええ

佐藤 それは国家賠償を韓国って国が放棄しているってことを当然わかっているわけですね。分かっているから今の慰安婦像を設置しろって運動は国家賠償をしろって運動ですから言ってみれば。『謝罪しろ』と。『国家賠償しろ』と。そこに積極的に加担するとちょっと自己矛盾みたいなことになるので、そうはあまり動いていなかったんですが、しかし一昨年の夏に韓国の最高裁は『そういう韓国政府の態度が意見なんだ』と。『請求権を、賠償を放棄したってのもおかしいんだ』っていう判決を出した。

荒川 おー

佐藤 で韓国の司法って、こないだお話ししたかもしれませんが、すごくメディアとか世論に左右されるところなんで、もう司法はどっちかって言うとそっち側に行っちゃっているんですよ(笑)

荒川 あぁ



■日本政府はどう対応すべきか。専門家の提言。


佐藤 で、徴用工のね、この間の賃金未払いの、あれも一審二審は棄却されたんですが最高裁で差し戻しになって、『おかしい!』って言って、それで高裁判決で賠償しろってのが出て、それが2件続いているんだけど・・・そうするとね、今日本政府から見ると韓国政府だけが唯一の砦って言うか、韓国政府だけが踏ん張っているけど、これがいつまで・・慰安婦の問題もそうだし徴用工の問題でもそうだし。韓国政府がギリギリどこまで粘れるか。・・じゃあ解決策どうしたらいいかって中々難しくって

荒川 うん

佐藤 1つは、そういう日本がアジア女性基金とかそういう努力をしてきたってあまり知られていないので、まざ1つは日本の外交発信力の失敗。非常に弱い。ちゃんとやってこなかった。下手糞だし。

荒川 はい

佐藤 そういう事をもっとちゃんとやるのもそうだし、あと専門家の人たちが指摘しているのはアジア女性基金に代わる新しい事業をそのままやって、韓国の元慰安婦の方々にそういう償い事業をやるって考えた方が良いんじゃないかと。

荒川 うん

佐藤 つまり日本の立場として国家賠償はやっぱり出来ないので、それは日韓の協定でしないって決まったものは日本はそこは法律は超えられないというか(笑)。まぁもちろん韓国もそうでしょうけど。そうすると新しい事業をやって、もしかしたらまた韓国は拒否するかもしれないけど拒否したら拒否したで拒否したっていう姿を見せれば『日本はこんなに解決するためにやっているのに韓国はなんか意図的に拒否していますよ』って姿を見せるのも良いので、ちょっとヤラしい言い方だけどね。

荒川 うん
山田 そうですよね



■しかし安倍首相は従軍慰安婦の強制徴用は無かったと考えている


佐藤 そういうことをやった方が良いんじゃないか、って言う専門家の指摘もあるんですが、この政権、安倍政権は全然やる気が無いんです(笑)。この政権はそもそも河野談話がおかしいと思っている政権なので(笑)。フフ、あの、慰安婦のことで謝罪とかお詫びとかをして、あれは一種強制性も若干、あの、間接的に認めている談話なので、それがこの問題を引き起こしているっていう考え方が主としてあって、つまり90年代以降日本が認めるってことのアクションを起こさなければ65年体制の、65年の日韓基本条約のまま、国家賠償はしなくて良いってまま行けたんじゃないかって考え方もあるわけ、保守派の中には。

荒川 ほぉー

佐藤 そうすると変なパンドラの箱を、村山談話とか河野談話みたいに開けちゃったからこんなことになってて、しかも河野談話って元慰安婦の方々の聞き取り調査を元に談話を作ってて、紙で慰安婦の証拠がありましたって書類で出てきたわけじゃないから、『証言なんていくらでも作れるじゃないか!』って色んな議論があって

荒川 あぁー
山田 でもだからといって、放っておくってわけには・・

佐藤 フフフ(笑)。だからって放っておいたらドンドンドンドン慰安婦像が(アメリカに)作られていくだけなんですね。

山田 はい。ええ。

佐藤 ただ、あんまりそのぉ、『止めろ!』とか、あの『止めてください!』とか強く言うとまた逆効果になるっていう問題もあったりして。だから結局『日本はこういう努力もしていますよ』ってことをもう少し丁寧に、まぁ外交発信力強化ってなことを言われて官邸で対策会議とか最近熱心にやっていますけど。

荒川 うーん

佐藤 そういうことを、チョットまどろっこしいことをコツコツやるしかない、当面はそういう事をやるしかないかな、という・・・。



■アメリカに慰安婦像が立てられる理由と日本がやるべきことは


山田 安倍内閣としては閣議決定でね、要するに従軍慰安婦の強制徴用は無かったっていう立場なわけですよね?

佐藤 そうですね。あのー、こ、広義の強制性、狭義の強制性っていう話があるけど、広い意味では強制性はあったと認めているんです確か。ごめんなさい、そこは閣議決定と違うかな、答弁かな。

山田 うん

佐藤 でもいわゆる厳密な意味での強制性は無かった。

山田 っていうね。もしそう思うならそれを言っていくべきだし、65年の賠償放棄ってのもあったってこともアメリカの大方の人は知らないですよね。

佐藤 知らないんですよね。今回の(慰安婦像を)設置したグレンデールっていうね、あのー、ロスの近郊の市ですけども、そこの市議の方たちはほとんどこういう事情を知らなくて

山田 で、アジア女性基金っていう基金も韓国が受け取らなかったって知らないですよね。これ言ってった方が良いですよね。

佐藤 もっと言わないとダメ。だから、日本は謝っていないし賠償もしていないしってことしか伝わっていないんですよ。

山田 うん

荒川 しかもアメリカの市民の方々にその事実だけが、あの、流布されていくと。これは後から訂正するのは大変ですよ。

山田 うん、覆すのは大変ですよ、ホントに。

佐藤 大変です。

荒川 ねぇ。これ(アメリカの)全国各地にこれで慰安婦像を作っていこうとしているわけでしょ。

片桐 うん

荒川 これ一緒にこっちの方も弁明していくなり手を打って行かないとねぇ。

山田 だと思いますね、ホントに。

荒川 アメリカに話が伝わって行っちゃうのは得策ではないですからねぇ。韓国とのやり取りでは済まなくなりますからねぇ。

佐藤 これ深刻ですね。日本政府打つ手なしって感じでお手上げ状態。

荒川 あ、今のところお手上げ状態ですか?

佐藤 うん、止める手立てがない。まぁだから設置許可を持っている市とか、アメリカのね。そういうところに働きかけていくしかないんですけど。

荒川 でもそれも、その自治体で良いよって言っちゃっているわけですから。ねぇ。

佐藤 結局今、アメリカに住んでいるのは日系より韓国系の方がすごく数が多いので、で特に自分の所の選挙区に、まぁそれは日本の議員さんも同じだけど、韓国系の人が沢山住んでいたらその人たちの言うことを聞かないと票が貰えないわけです。そうすると(笑) (注:韓国系アメリカ人は1,706,822人。日系アメリカ人は1,220,922人。

荒川 あぁ

佐藤 まぁ、細かいことを知らないってこともあるし、やっぱ選挙対策として言うことを聞いちゃうってのも

荒川 いやぁ、その背景。今佐藤さんのお話しでよく伝わってきましたね。

山田 ええ。だからといって手をこまねいている訳にはいかないってことですね。

佐藤 そうなんです。


と話していた。



■補足:韓国の国民情緒法とパククネ大統領

2013年9月9日に放送された『荻上チキ・Session-22』にて山口県立大学准教授の浅羽祐樹さんが以下のように解説されていました。

韓国人自身がよく言うのだけど韓国には「国民情緒法」というのが存在する。明文法よりも国民の情緒が上位にあり、国民世論によって法律が覆る慣習のこと。パク・クネ大統領は国民情緒法を問題視していて「これでは先進国になれない」「国民情緒法は困る」と言っている。


 
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