■会話をしている人物
辛坊治郎 (ニュースキャスター)
飯田浩司 (ニッポン放送アナウンサー)
増山さやか (ニッポン放送アナウンサー)
飯田 あ、イランがポイントなんですか!?
辛坊 うん、何がポイントかと言うと、イランとサウジアラビアってめっちゃ仲が悪いわけですよ。
飯田 うん
辛坊 ね、イランとサウジアラビアがめっちゃ仲が悪くて、イランは何ちゅうたって今は世界を敵にまわして核開発やっているわけですよ。
飯田 はい
辛坊 で、イランっていうのは、もの凄く原油価格が高くないと採算が合わないっていうか国内の経済がむちゃくちゃになっちゃうので、『とにかく高い値段で今回は減算で一致して欲しい』って言っていたんだけど、サウジアラビアははっきりいって今の値段じゃサウジアラビアですら困るくらいの値段になっているんだけど
飯田 はい
辛坊 あのサウジアラビアとイランっていうのは、サウジラビアはスンニ派のイスラム教の大国で、イランってのはシーア派の大国で元々宗教的にも仲が悪い。
飯田 うん
辛坊 で、イランはシリアの時に、サウジアラビアと敵対するシリアを後押ししたり、イランってあの中東の中でもシーア派ということである種の差別もあって評判悪いんだけど、このイランを叩き潰すためにはサウジアラビアとしては「いい!」と。
飯田 うん
辛坊 「もう出来るだけ価格を下がってもイラン潰す!」っていう。それでアメリカも本当はこれ以上下がると、えー、今の値段になるとシェールガスの開発が止まっちゃうんだよね。
飯田 うん、採算が合わない。
辛坊 シェールガスってバレル当たり80ドル位ないと採算が合わないのに今はもう60ドルだから
飯田 うーん
辛坊 シェールガス、シェールオイル産出しようかってアメリカも困るんだけど、アメリカとサウジアラビアって同盟国に近い仲良し国家だから
飯田 うん、基地もある
辛坊 だけど今回アメリカもあまり口出ししていないのは、やっぱイラン潰すためには、まぁシェールガス、シェールオイル今回は一旦どっちが国益に適うかって言ったらそりゃイラン潰した方が良いよね。同時に潰せんのがロシアなんだよ。
飯田 あぁー
辛坊 ロシアってOPEC(石油輸出国機構)に加入していないけど世界最大の天然ガス産出国で石油産出国でロシアの生命線の輸出の7割くらいは石油関連で、これだけ値段が下がると今ロシアが困って財政的に大変
飯田 うーん
辛坊 で、例のウクライナ問題でやっぱりアメリカはイランも懲らしめたいしロシアも懲らしめたいと。
飯田 はい
辛坊 確かにシェールガス、シェールオイルで確かにアメリカにも打撃なんだけども、でもどっちを優先さすかって言ったら「まぁサウジアラビアさん、いいようちのこと気を使ってくれなくても」。サウジアラビアの本音としてはイランも潰したいけど長期的な目線でいうとアメリカのシェールガスってのはOPECにとっては最大の競争相手だから出来ればここの開発の速度も落としたい
飯田 はい、うーん
辛坊 アメリカも対イランと対ロシアを睨みながら「まぁまぁ今回はそんな無茶言わなくてもいいよ」ってくらいの感じなんで、
飯田 うん!
辛坊 もうどんどん原油価格が・・・そういう国際的な思惑で下がっていると。そういう構図ですわ。
飯田 おー。
増山 うーん
辛坊 で、かつての例で言いますとね、実は1900・・ほら今年はベルリンの壁が崩されてから25年か
飯田 はい
辛坊 ね、今から25年前にソ連東欧圏が崩壊して旧ソ連が無くなるわけですよ。
飯田 うん
辛坊 旧ソ連が崩壊したのは色んな理由がありますけど、1980年代の半ばに、やっぱり当時のレーガン(アメリカ大統領)が出てきて強気に出て、軍拡競争をやって経済的にソ連を追い詰めていったんだけど、その時のツールに使われたのが原油なんだよ。
飯田 へぇー
辛坊 これがね、原油価格って見てると1980年から88年にかけてもう過去で一番下がってんの。
飯田 ホントですね。
辛坊 コレわざとなの。当時OPECとアメリカが結託して「ソ連潰す!」と。ソ連を潰す一番良い方法はソ連の経済の首根っこというか息の根を止めると。ソ連経済の息の根を止めるには原油価格を下げると。
飯田 おー
辛坊 そうするとソ連は本当に困る。経済的に困る。で、尚且つ軍拡でソ連はレーガンが強気に出て『やれるもんならやろうじゃないか!』ってお互いに軍拡競争をするとソ連が付いていけなくなる、財政的にも原油価格が下がることによって
飯田 うーん
辛坊 実はソ連が25年前にぶっ潰れた一番本質的なツールとして使われたのが原油価格。
増山 はぁー
辛坊 そういう意味では世界の経済だけじゃなく政治体制にまで影響を与える最大の戦略商品だから
飯田 はぁー
辛坊 だから今回の原油価格の低下もそういう目線で見ると、これは面白い。
と話していました。
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