■会話をしている人
外山惠理(TBSアナウンサー)
荻上チキ(評論家)
北丸雄二(ジャーナリスト)
ピーコ(ファッション評論家、シャンソン歌手、タレント)
荻上「うん」
北丸「だからデモもなかなか盛り上がらない」
荻上「主張することが何か変わっているって感じですよね」
北丸「そうですよね、反対するってなると皆なんか変な人だと思われちゃう。ゲイが(笑)、ゲイが変だってんじゃなくて反対する人皆変なんですよ。日本の中では。」
荻上「うん。なるほど。」
北丸「そういうような文化の違いがあって、いわゆる欧米型のカムアウトって非常にしにくい。」
荻上「うーん」
北丸「そうすると何かって言うとね、あのね、例えば『僕はゲイです』って言った時に、その人が受け取った『ゲイ』っていう言葉と、私の言っている『ゲイ』っていう言葉と違うんですよね。」
荻上「うん」
北丸「だから『私はゲイです。』って言った時に『あぁ、あなたはゲイなの!?』って言った時に大きな差があるわけ。これが、これを埋めない限りカムアウト出来ないんですよ。」
荻上「うーん」
北丸「そうじゃないですか、『僕はゲイなんだけどあなたが言っているゲイではないんです。』って喋んなくちゃいけない。そうすると面倒くさくなっちゃうんですよね。」
ピーコ「面倒くさいって言うよりは、私なんかすごい、愛情はあっても、あのー、フィジカル(注:肉体的な)なものを中心にしていないっていう生活が自分の中にあるでしょ。」
北丸「ええぇ、もちろん。」
ピーコ「そうすると、その、そういうことって全部ひとくくりで、瀬戸内晴美(注:小説家・尼僧である瀬戸内寂聴の旧名)さんって方がいて、私と対談した時に、私は瀬戸内晴美さんの本を一生懸命読んだんだけど」
北丸「えぇ、寂聴さんね」
ピーコ「そしたら、瀬戸内晴美さんが『ねぇ?男と男が寝るってどんなことやるの?』って、こういう風に一番初めに聞いたの。」
外山「うん」
北丸「うん」
ピーコ「『えっ!?』って。」
北丸「ツフフ(笑)」
ピーコ「それ、本になる対談なので、そこは私はちょっと、そーいう対談するのちょっと違うし」
北丸「フフフフ(笑)」
ピーコ「なんか、瀬戸内さんは自分がどういう風に駆け落ちしてどんな風に人を好きになったかって本を綺麗にお書きになってらっしゃるし、アレですけど、私たちはそーいう所だけが見られるのは嫌だとかって・・」
北丸「そうなんですよ、だから『僕はヘテロセクシャル(注:異性愛者)だ』つった時に、このヘテロセクシャルって物凄い広義な意味があるじゃないですか。」
荻上「はい」
北丸「でも『僕はホモセクシャル(注:同性愛者)だ』って言った時に、物凄く狭くて、ボールペン一本分くらいの幅しかないみたいな感じになっちゃう」
外山「うんうんうん」
ピーコ「そうなの。」
北丸「それ何かって言うとセクシャリティ?というのは、性っていうセクシャル。性という言葉で、そこに生活だとか愛とか、まぁ愛ってのも性のアレなんだけど、そういうものが含まれていないから・・、また同性愛ってのが発明された時、発見された時ってのは、そういう性の違いをピックアップして研究をされたものだから、どうしてもしょうがないんだけども、ゲイって後ろに生活があって人権があって愛があって食べ物があって、それから友達もいてっていう」
荻上「うん、色んな側面がありますよねぇ」
北丸「そういうものが、つまりヘテロセクシャルと同義としてホモセクシャルっていうことが語られることがなかった。またそれに対して具体例も誰も指し示してこなかった、カムアウトしてこなかった。」
荻上「うん」
北丸「そうすると、それこそおすぎとピーコさん、美輪さんたちが代表選手のようにして、あのー、表に出てて、皆そういうものなんだなって思った。」
荻上「うん」
北丸「それしか具体例がなかったから。アメリカでも一緒だったんです。ストーンウォール(注:ストーンウォールの反乱/1969年6月28日ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン」への警察の不当捜査に対して同性愛者らが初めて警官に真っ向から立ち向かい暴動となった事件)、さきほど言ったストーンウォールの時も一番前に出たのは女装のお姉さま方とトランスべジタイト(注:Transvestites/異性の服装を好んで着る人。女装家、男装家。)って言うんですけどね。やっぱ、クイーン・・」
ピーコ「ドラァグクイーン(注:drag queen/男性が女性の姿で行うパフォーマンスの一種)。」
北丸「ドラァグクイーンとね、レズビアンだったんです。本当に男っぽく見えて、『え?こいつホモなの?』『この人ゲイなの?』って分かんない人は後ろの方で隠れてたんですよ、あん時も。」
と話していた。
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コメント
一寸の光陰 | URL | t50BOgd.
瀬戸内寂聴
下品な顔!
答えを持たないペテン師
救われないまま他人に人の道を説こうとは笑止千万
無自覚は無罪じゃない
解脱できないまま奇妙な解釈を繰り返し
自己への欺瞞と言い訳を繰り返す地獄の餓鬼
救いの無い講釈を繰り返し、常にぶつくさと
解った様なことを喋ってないといられないのだ
老婆になっても暗闇に巣くう餓鬼そのもの
加藤泰三とは対極にある存在
この顔を見よ
全ては顔に表れる
この醜い老婆は答えを持たぬ
( 17:54 [Edit] )
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そして自分の顔を鏡で見れば
もはや人ではないかもしれぬ
あらま大変どうしましょ
人の悪口書いた罰
( 03:23 )
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