那覇市長が語る「2012年の衆院選挙と沖縄独立」

01:28

2012年11月29日に放送されたTBSラジオ「ニュース探究ラジオDig」にてジャーナリストの青木理さんが衆院選挙と沖縄問題について語っていた。来月16日に迫った衆院選挙で、自民党や日本維新の会などが竹島や尖閣問題に関連してか非常に勇ましい公約を表明しているものの沖縄問題がほとんど選挙の争点にあがってこない現状について、翁長・那覇市長のインタビューを交えて紹介していた。翁長雄志


■会話をしている人

青木理(あおきおさむ / ジャーナリスト)
江藤愛(TBSアナウンサー)



(自民党総裁の安倍晋三氏や日本維新の会代表の石原慎太郎氏の最近の発言を紹介した後に・・)

青木 勇ましい言葉の陰に隠れていて、放置されて、完全にそのー、何というのかな、忘れ去られているというか置き去りにされている問題?でも実は本当は守んなきゃいけない問題、日本の一部なので守んなきゃいけない問題があるわけですね。この番組で何度も取り上げてきたんですけど、沖縄の問題・・

江藤 はい

青木 ・・ですよね。沖縄は日本じゃないのか?って日本ですよねぇ。

江藤 うん

青木 でその日本のことを意外と、その、ないがしろにしてんじゃないかと。意外とどころか完全にないがしろにしている。まぁこの番組でも何度もやってきましたけどぉ、日本の国土の0.6%しかないわけですよ。

江藤 はい

青木 そこに75%の米軍基地を押し付けていると。・・・尖閣諸島だって実は沖縄の所属なんですよね。

江藤 うーん

青木 石垣市ですよね。でその尖閣を守るんだと勇ましく言いつつ、その、沖縄には膨大な負担?膨大というか桁外れな負担なわけでしょ。0.6%のところに74%の基地を押し付けて、まぁ問題になっていない、争点になっていないですよね今度の選挙でも。

江藤 そうですねぇー

青木 ほとんど争点になっていない。普天間基地、街の真ん中にある、固定化されている。辺野古っていう新基地を作るんだなんて話もあるし、オスプレイ?の問題もあるし、それから、まぁこれは本当に悲惨ですけど米兵の暴行事件ってのも相次いでいる

江藤 うん

青木 こういう状況にあるのに・・・コレある意味ね、僕ね、あんまり好きな言葉じゃないんだけど、こういう状況って一種の国辱状態じゃないかって思うんだけども、勇ましい言葉ばかりが飛び交うんだけども何故かこの問題が取り上げられないんですね、

江藤 はい

青木 沖縄問題ってのが争点にならない。っと思った時にですね、そのー、これ今月の24日、これ朝日新聞のですね、そのー、読んでたらですね、・・・沖縄の那覇市長。えー、翁長雄志(おながたけし)さんってついこの間再選されたんですけど、インタビュー、ロングインタビューってのが載ってたんですね

江藤 はい

青木 すごく考えさせるんですけど、そのー、まぁこの記事の中で、そのー、翁長さんこう仰っているんですね。『甘えているのは沖縄ですか?それとも本土ですか?』と。こういうことを仰るんですね。

江藤 うん

青木 記者がこう聞いたそうなんですね。『沖縄の基地問題をどうするか、衆院選だというのに本土で争点になっていません』と。

江藤 うん

青木 で、これに対して翁長市長がこう仰るんですね。『意外ですか?オスプレイ反対で県民が10万人集まったって本土では一顧だにしない(いっこだにしない/配慮をしない・知らん顔・ 無視)』と。『基地は目に見えない遠いところに置けばいい。自分のところに来るのは嫌だ。アメリカには何も言わない。いつも通りです。』と。

江藤 うん

青木 『沖縄は困難な戦いを戦っているんです。』と。でーそのー、実はこの翁長さんっていうのは・・・こういう話をすると何かそのー、ちょっと革新系なんじゃないかとかね、そのー、いう感じに取られるかもしれないんですけど、実はこの人保守、保守系政治家なんですよ。ずっと自民党の沖縄県連の幹事長なんかもされている方でどっちかというと保守系なんです。

江藤 うーん

青木 その保守系である翁長さんがこんな事も仰っているんですねぇ。『僕らはもう折れてしまったんです。』と。

江藤 うん

青木 『なんだ本土の人はみんな一緒じゃないか』と。『沖縄の声と合わせるように鳩山さんが・・』、鳩山さんっていうのは鳩山由紀夫さんですね、『・・が最低でも県外と言っても一顧だにしない』と。えー、『沖縄で民主党とか自民党とか言っている場合じゃない、という区切りが鳩山内閣でもう付いちゃいました』と。

江藤 うん

青木 こういう風に仰っていて、まぁこれホントに読んでると非常に僕らは考えさせられるなと、考えなくちゃいけないんですけども、記者がまたこう聞くんですね。『利益誘導こそが沖縄保守の役割なんじゃないのですか?』と。

江藤 うん

青木 つまり沖縄の保守ってのは、そのー、自民党の、例えば政治家なんてのは、利益、沖縄に利益を誘導してくるのがそのー、保守、沖縄の保守の政治家の役割なんじゃないかっていう風に記者が質問するんですねぇ。そうするとこういう風に翁長さん仰るんですねぇ。『振興策を利益誘導だと言うのならお互い覚悟を決めましょう』と。

江藤 うん

青木 『沖縄に経済援助なんかもういらない』と。『税制の優遇措置もなくしてくれ』と。『その代わり基地を無くしてくれ』と。

江藤 うん

青木 『国土の・・』これはさっき僕も申し上げた、『国土の面積0.6%の沖縄で在日米軍基地の74%を引き受ける必要はさらさら無い』と。『いったい沖縄が日本に甘えているんですか?それとも日本が沖縄に甘えているんですか?』っていう言葉もここで出てくるんですねぇ。

江藤 はい

青木 で、更にこう続くんですね。『本土は日米安保が大切、日米同盟が大切、それで尖閣を中国から守るのに沖縄がオスプレイを配備させないんだという風に言っている』と。『沖縄にすべて押しつけておいて一人前の顔をするなと言いたい。これはもうイデオロギーではなく民族の問題だ。』と。・・・もっと強烈ですよ。『日本の47分の1として認めないと言うんだったら、もう日本という衡(くびき/自由を束縛するもの・枠組み)から外してちょうだいっていう気持ちです。』と。

江藤 うーん

青木 ちょっと長く、あのー、朝日新聞の、すごく印象深いインタビューだったのでちょっと長くなっちゃいましたけれど、どう思いますか?えー、沖縄ね、当たり前ですけども、沖縄ってのはかつて別の国だったわけですよね

江藤 はい

青木 それが今や日本の一部に、日本という国家の一部になっているんですけれど

江藤 はい

青木 こうなってくるとね、そのー、国っていったい何なのか。こないだ、あのー、福島県の阿武隈共和国ってのを作るっていう話、本のね、小説の話もしたんですけど。(注:村雲司著 『阿武隈共和国独立宣言

江藤 あーはい。『もー出てやる!』って、国からねぇ。

青木 『出てやる!』って話ですよねぇ。つまり、その、僕らが、例えば沖縄に関していえば『日米同盟が大切だ』と。あるいは『日米安保体制こそが日本の安全保障の柱だ!』って言っているんだったら。この声に耳を傾けなかったら僕らのね・・・だってそんなの日本から出ていくんだったら尖閣諸島どころの話じゃないわけですよ。

江藤 うん

青木 だって尖閣だって沖縄に属しているわけだから。だからやっぱり、安保とかね、あるいは尖閣を守れとかね、憲法改正だっていうその・・・妙に勇ましい事を言うのであれば、あるいは言うんだったらですよ、やっぱりこの沖縄の声に耳を傾けなかったら、やっぱり基本的にこれ嘘だと思いますよ。

江藤 うーん

青木 なので、今度の選挙ね、僕もそうですし江藤さんたちもそうだけど、やっぱり沖縄のこと?問題をね、・・大変だと思いますよ、それで鳩山政権は潰れたわけだから

江藤 そうですよねー

青木 ただ、大変だからといってこのまま放っておいていい問題でもないので、やっぱり、沖縄の問題をどうするのかっていうのを、まぁこの番組でもそうですけれど、やっぱり声を上げなくちゃいけないなという風に思いました。


と話していた。



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コメント

  1. これは日本列島の日本人が沖縄に基地を存続させている第一番目の理由です


    これは日本列島の日本人が沖縄に基地を存続させている第一番目の理由です。

    ブログ『反戦塾』から抜粋:http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-fd5d.html
    2010年3月19日 (金)



    密約と欺瞞、どっちが悪い




     言行不一致どころか完全に詐欺である。鳩山内閣の内政はともかく、外交である。友愛、架け橋、東アジア共同体、東北アジア非核兵器地帯宣言、普天間基地県外移転、安保見直しその他もろもろ。なにひとつ実現しそうにない。長い目で見なければならないものも多いが、現実にはその逆を行っているではないか。


     岡田克也外相は18日夜、フランスのクシュネル外相と東京・麻布台の外務省飯倉公館で会談した。イランの核拡散問題について、岡田氏は「4月から日本は国連安保理議長国として重要な役割を果たす。安保理で(制裁を)決めれば実施をちゅうちょしない」と述べ、イランへの新たな国連制裁を主張する米仏などに理解を示した。(毎日新聞3/19)

     安保理議長国としての任務を言ったものだろうが、そこには「対立のかけはしになる」という雰囲気は全くうかがえない。先月、「イランで得点を」というエントリーをかかげ、イランで仕事をされている「ていわ」さんからも、欧米追随一本槍の日本外交を憂慮するコメントをいただいた。

     今回はこの事ではない。「政治とカネ」キャンペーンに同調することもなく、問題先送りや発言のブレ、閣内不一致もあえて善意に解釈してきた。鳩山・岡田外交に期待していただけに、ここへ来て信頼は急速に消え去lりつつある。

     前回は、普天間基地県内移転を持ち出す欺瞞性を言った。続けて核持ち込み密約の処理を問題にする。

     3月3日付のエントリー「朝鮮出動密約は破棄せよ」を掲載したのは、まだ密約調査が正式発表されていない時期である。その中で、調査の結果を受けての処理を次の3つのいずれかに確定するよう主張した。


     結論は3つ。密約を破棄するか、過去のことだからといって時効のように効力なしにするか、まだ必要性があるとして改めて公開の上協定しなおすかである。「改めて密約」というのは、国民を愚弄するものでこれはないだろう。しかし、外交交渉に密約100%なしが非現実的であれば、せめてアメリカ並に時限を設けた公開制度を確立することだ。いずれにしても、あとの処置をうやむやにすることは許されない。

     ところが、外務省の有識者委員会が核持ち込みなどの密約が「あった」と認定したのに対して、岡田外相は記者会見で有識者委の結論を「外務省の公式見解としない」と言い張っている。その一方で「非核3原則は堅持」である。調査の結論には同意しているのに、さっぱり意味がわからない。

     上の3つのうちもっとも近いのが、国民を愚弄する「改めて密約」であるが、それもせずに「前の密約は有効・存続」といっているのと同じで、何のために調査をしたのかわからず、うやむやにするのと同じ最悪の結論だ。外務官僚に押しきられたと見られる最も官僚的な口調といえよう。

     せめて、「前の密約は廃棄する。核持ち込みの疑念があるときは、改めて日本から事前協議を申し入れる。ただし協議の内容・結果は直ちに公表しないことがある」ぐらいのことはどうして言えないのか。官僚の壁にさえぎられ、アメリカの無形の圧力の前で口を閉ざす、こんなことは、自民党内閣でも吉田、岸両首相の頃はなかったことだ。

     なお、軍艦や飛行機に積む中・短距離戦術核弾頭が、大陸間弾頭ミサイル(ICBM)の出現で意味をなさなくなり、米ソの間で核軍縮の一環としてすでに搭載されていないことや、アメリカが核弾頭の保管や移動を公表しない建前をとっていることなどについて、いろいろの解説があるのでここでは省略した。

     ただ思うのは、「密約はない」と言い続けてきた自民党のほうがまだわかりやすく、岡田外相は何をいっているのかわからない。どうかすると「政権交替」しても何も変わらない、それどころか、さんざん思わせぶりのことを言っておいてだまされたという、後味の悪い印象が残るだけではないか。

    コメント



    日本への核持込み疑惑ですが、
    誰が見ても『ある』にもかかわらず頑として事実を認めず『無い』と言い続けた歴代自民党政権は、鉄面皮で恥知らずな無責任体質なのですが、
    それなら現在の民主党新政権のように、あるものを『ある』と認めたところだけは以前よりは良いが、『あるものはある』として全く反省しない(悪い事を改めようとしない)のはもっと悪いような気もしますね。
    たしかに日本政府の言うとおりに90年代以降はアメリカの全ての水上艦船から戦術核兵器は撤去されたのですがロスアンゼルス級原潜にはトマホークが配備されたままで、拡大抑止(核の傘)の為に継続してくれるように前麻生政権がアメリカに申し入れていた事が米議会の報告書にも記録されているのです。
    浮気の証拠を突きつけられても『絶対無い』と白を切り通す今までの無責任亭主(自民党)。
    浮気の現場を押さえられて『事実だから仕方が無い』開き直る亭主(今の民主党)。
    どちらの方が悪いのでしょうか。?
    岡田外相のもしもの時の核再配備のニクソンと佐藤両首脳による密約を、代々外務省が機密文章を申し送りしていないので『密約で無い』とした件で、『これこそ密約だと思う』と感想を述べていたが、確かに正論ではあるでしょう。
    主権者の国民に隠して官僚が代々申し送りしていたのは、関係官庁の『極秘事項』には当てはまるが、真の国家間の密約とはならない。
    ニクソンと佐藤の二人だけが署名してホワイトハウスと首相官邸に極秘に隠していた『核再配備』こそ本当の密約と言えるでしょう。

    投稿: 逝きし世の面影 | 2010年3月20日 (土) 15時08分



    逝きし世の面影 さま
    原潜のことなども書こうと思いましたが、脳のガラクタ箱のなかに未整理のままで引き出せず、ごまかしました。
    いつもの事ながら慧眼恐れ入ります。
    民主党の現在、やはり、官僚を使いこなし先導する力量がなかったことを暴露したということでしょうか。

    投稿: ましま | 2010年3月20日 (土) 15時41分」
     以上、ここまで抜粋

    、、、、-しかしそれでは現地沖縄の陸上で暮らすわれら130万人の住民が許しません。沖縄核密約は明確に「破棄」と、アメリカへ通達すべきです。でないと、辺野古や嘉手納の核貯蔵庫の核弾頭や20インチまで小型化した核砲弾がオスプレイで全国へ運搬されている危険な日常もなくなる。

    参考までに「20年、仕事と同時に個人で社会貢献も行いながら六人の子育ても」-という検索「本村安彦」で現れる私のページを付しておきますのでご覧ください。
    http://sairentmajyorithi.seesaa.net/article/296464655.html?1357440675
    それと、下記URLは、昨年五月二十四日に浦添警察署我が家へ家宅捜索する五日後にNBC長崎放送で放送された「封印された核」と、その三ヵ月後の同年8月12日に、県女性センターと浦添警察署が妻を脅し、私の娘を拉致誘拐させた翌日の13日土曜日午後五時半からTBS報道特集で放送された私も出演した「沖縄核密約」告発の動画です。
    私の画像は元米兵のデレルエレ氏の画像の後半最後にあたる、番組の最後の部分で仕上げとして使っています。また、番組のエンディングでキャスターらが使う「沖縄の建築家」という言葉は私のことを指しています。
    ↓検索(在日米軍の核 - 山崎淑子の「生き抜く」ジャーナル!)<... NBC長崎放送 報道局-関口達夫さん渾身のアメリカ取材レポート=TBS報道特集:『今タブーを破る!>
    http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:Ra-DvZEGhH8J:enzai.9-11.jp/%3Fp%3D6202+NBC%E9%95%B7%E5%B4%8E%E6%94%BE%E9%80%81%E3%80%80%E5%B0%81%E5%8D%B0%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%A0%B8%E3%80%80%E5%8B%95%E7%94%BB&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp 

    その解決方法は「琉球独立」しかないが、しかし、提唱者が学者で庶民生活を反映していない。だから個々の琉球庶民の人々の独立したいという理由が漠然となってしまい様々な妨害が入る。
    参考までに、私の場合はこういう理由で琉球独立を目指している。
    http://jyuurokkujyou.seesaa.net/article/300839517.html?1354246221本村

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