2012年12月26日に放送されたTBSラジオ「ニュース探究ラジオDig」のコーナー「NEC Wisdom Square」にて株式会社電通でクリエーティブ・ディレクターを務める岸勇希さんがプレゼンテーションの秘訣について話をしていた。この日のテーマは「こころを動かす~コミュニケーションをデザインするというコト」。果たして電通の岸さんが語るプレゼンテーションの秘訣とは・・・。 | ![]() |
■会話をしている人物
岸勇希 (株式会社電通 クリエーティブ・ディレクター / 東京大学講師)
荻上チキ (批評家 / 「αシノドス」「シノドスジャーナル」編集長)
外山惠理 (TBSアナウンサー)
荻上 恋愛に例えるとどうなりますかね?
外山 フフフ(笑)
岸 いや、でも別に例えば彼女に『付き合って欲しい』と言っているのと、『うちと契約してほしい』って話は同じなんですよ。
外山 おー
岸 で、別に彼女と付き合う時にメリットばっかり並べないですよね?
荻上 フフフ(笑)
岸 俺と付き合うとこんな良いことあって、こんな良いことあって、こんな・・
外山 うんうん
岸 どっちかというと『実は俺こういう悪いところがある。でも、ここに関しては大丈夫。』って例えば女性に対して言ったりするじゃないですか。
荻上 うん
岸 場合によったら企業様に対するプレゼンテーションも同じで、『完璧だ』って言っている方が怪しいじゃないですか。
荻上 うん
岸 『この点においては自信があってこうだと。ただ、ここに関しては実際御社の協力を得ないと越えられない部分が有ると思います。』って正直に言った方が納得しますよね。説得じゃなくて。
外山 はー
岸 企業も『まぁそりゃそうだよね』っていう。でもどうしてもこう、取り繕うというか、、
外山 うーん
岸 プレゼンテーションという場に自分が飲まれてしまって説得に行ってしまう。そして『失敗してはいけない』というようにすごく働くので、その辺りは少しこう、なんでしょうね。・・・まぁ基本的にはおもてなしの気持ちだと思うんですよ。相手の視点に立ってあげて、喋ってて『あぁここが理解できていないだろうな』『あ、今そこ理解しにくいですよね。じゃあココもうちょっと補足しますね。』っていう風に相手の気持ちになって話してあげるっていうのがすごく大事だとは思いますけどね。
荻上 なるほど。・・・告白の時って、こうメリットデメリットを語るというよりは、結構ストーリーを語るような気がするんですよね。
岸 なるほどなるほど。
荻上 自分がこういう理由で、例えば外山さんを好きになったんだとか
岸 ちょっと具体的にチキさん聞きたいですけどね。具体的に具体的にそういう・・
荻上 だから、『一緒に居てすごぐ楽しいと思って、切っ掛けはこういう時だったんだ』って、まぁストーリーがあって、『これから、やっぱりあのー、こういう事をしたいなと思っているから出来れば恋人というかたちで・・』みたいな感じでメリットを並べるというよりか気持ちと、やっぱりこう、背景というか物語をね伝えて、それに同意してくれるかみたいなところが結構勝負な気がしますね
岸 いやスゴイそれは本当に核心で、あの、今回ここではお話ししなかったんですが、今物語ってすごい大事なんですね。
荻上 うん
岸 『付き合って下さい!』というだけには意味がない。例えば『彼は彼女に10万円のプレゼントをあげた』
荻上 うん
岸 『彼は彼女に10万円のプレゼントをあげた』、何の価値もないんです、この話には。
荻上 うん
外山 うん
岸 でも、『年収3000万の彼は彼女に10万円のプレゼントをあげた』。セコイ奴ですね。
荻上 フフフ(笑)。まぁまぁまぁ。
岸 でも、『時給650円の彼は彼女に10万円のプレゼントをあげた』。良い話ですよね。今何で動いたかというと10万円ということではなくて、まさにチキさん仰ったように背景のストーリーなんです。で、このストーリーがやっぱり共感できれば、正しい正しくないじゃなくて人の心は動くんですよね。
荻上 うん
外山 確かに
岸 なのでプレゼンする時にも『御社にこう言われた時に僕は正直理解できませんでした。ただ、理解できなかったけどその想いを応えるとしたらこうだと思った。』って言われると『理解できなかった』という所だけ切り取ったら腹が立ちますけど、プロセスで話をしたら理解できますよね。
荻上 うん
岸 だからその物語、まぁ僕らのコンテキスト・デザイン、文脈のデザインと言いますけど、どういう風に文脈を作ってあげるかっていうところが、すごく重要になってきてますね。
と話をしていた。
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