水道橋博士が語る『立川談志による前座全員破門事件と後日談』

19:02

2013年1月31日(木)に放送されたTBSラジオ「水道橋博士の木曜WANTED!!」に落語家の春風亭一之輔さんがゲストで登場。この日のトークテーマは「師匠と弟子」。春風亭一之輔師匠や水道橋博士が思い出に残っている師匠方とのエピソードを紹介していました。その中の1つが水道橋博士が話していた立川談志師匠のエピソードです。落語界きっての個性派として知られる立川談志師匠とその弟子との間で起こった破天荒で笑えるエピソードです。
■会話をしている人

春風亭一之輔 (落語家 / 2012年に、21人抜きという異例の大抜擢で真打に昇進した。 / 35歳)
水道橋博士 (漫才師 / タレント / 50歳)
山内あゆ (TBSアナウンサー / ベトナムと日本のハーフ / 36歳)


補足:落語の階級について

落語の世界には「真打ち」「二ツ目」「前座」「前座見習い 」という階級がある。「前座見習い 」は落語家とは呼べないかもしれない。まだ落語協会などに登録されておらず楽屋に入ることも許されない。師匠や兄弟子のかばん持ちや雑用をこなす。「前座」から寄席や落語会で噺すことが許される。文字通り前座で落語を噺す落語家。「二ツ目」は寄席や落語会で二番目に高座に上がることからそう呼ばれるようになった。師匠の家や楽屋での雑用が無くなり、家紋が入った羽織も着られる。一人前の落語家。「真打ち」とは寄席や落語会で一番最後に喋る資格をもつ落語家のこと。弟子を持つことも許される。師匠と呼ばれ後世を育てる立場の落語家。


博士 あの、立川流の有名な話ですけど、立川流の、あの、前座は全員、えー、築地でね、働かされるんですよ(笑)

山内 築地の何で?

一之輔 いや、河岸(かし/魚市場)で。

山内 河岸で!?市場で!?

博士 そうなんです。そこで談志師匠の仲の良いお旦(おだん/贔屓客・落語家のスポンサー)みたいな人が沢山いて、そこで、少しそういう生活や、そういう何、一般的な人たちのやり取りを覚えてこいっていう趣旨なんだけども、そこに就職してしまう人も出てくるんですよ(笑)

山内 ハハハ(笑)

一之輔 そうなんだよ(笑)。「そっちの方が向いてる」つって。

博士 それを唯一拒否したのが志らくさん(立川志らく)。

山内 えーー。

一之輔 そう。「僕は行きません」

博士 そう。それを談志師匠が、初めて言った。「(談志さんが)あたりめぇだよそんなの!」

一之輔 拒否したんです。

博士 そう、それを認められたんです。

山内 えぇーーー!

一之輔 で、「お前は行かなくていい」つって。周りは非難轟々(笑)。

山内 ねぇみんな「えー!教えてよ!」って感じですよね(笑)。

一之輔 フフフフ(笑)。ええ。「言やぁよかったなぁ」って。

博士 その話面白いでしょ?

山内 おもしろーい。

博士 それで、談志師匠は、あとー、談志師匠と慎太郎知事(石原慎太郎・前東京都知事)が対談するっていう時に、前座が対談先に見に来なかったんです。

一之輔 うん

博士 で、「俺と慎太郎が対談するこんな」、あのー、「世の中の2トップが来ている時に、そーいうモノに興味を持たないような弟子はいらねぇ」つって前座全員クビになったんです。

一之輔 そうです

山内 破門?

博士 破門事件。

一之輔 一時期ですよ?

博士 それが何が面白いかっていうと、こないだアレ、20年ぶりに志らくさんと文芸坐で、えー、トークショーやったんです。

一之輔 はい

博士 その時にその話をしたんですよ。そしたら志らくさん今11人くらい弟子がいるでしょ

一之輔 いますね、はい。

博士 その後オレと志らくさんが打ち上げに行ったんですよ。そこに皆来たんですよ(笑)。

山内 ハハハハハ!(笑)

一之輔 帰れませんよ!そんなこと言われたら(笑)

博士 でしょ?(笑)

一之輔 帰れないですよ(笑)

山内 帰れないねぇ、そんな話を聞いたらねぇ(笑)

博士 でも、その食事、文芸坐の支配人がこう、やっている訳ですけど、「迷惑ですよ!」って。

一之輔 「こんなに来るの、前座!?」

博士 そう!。イタリア料理11人(笑)

山内 みんな食べて

一之輔 永田さん(永田稔/文芸坐の支配人)、青くなってましたよ


と話していた。
 
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