小田嶋隆が語る『田中角栄の大蔵大臣に就任時の言葉とWBC山本監督』

22:57

2013年3月20日に放送されたTBSラジオ『赤江珠緒 たまむすび』でコラムニストの小田嶋隆さんが先日惜しくも準決勝で敗退してしまったWBCについて話していた。大物政治家、田中角栄氏が大蔵大臣に就任した際に述べた言葉を紹介しつつ、理想の上司論を語っていました。左寄りな印象の小田嶋さんが田中角栄さんの言葉を紹介することに新鮮に思ったり、田中角栄さんの言葉の力に感心したり・・・。いい話です。小田嶋隆



■会話をしている人物

小田嶋隆(コラムニスト)
赤江珠緒(フリーアナウンサー)
博多大吉 (お笑いコンビ「博多華丸大吉」)


 

補足:2013 WBC 準決勝でのダブルスチール失敗

WBCの準決勝プエルトリコ戦の8回、1アウト一・二塁の絶好期に井端選手と内川選手のダブルスチール(注:二人の走者が同時に盗塁すること)が失敗。好機を潰してしまった。そして敗戦。試合後、内川聖一選手は「全部いい訳になるけど僕が全部壊してしまった。過去の先輩たちにも申し訳ない気持ちで一杯です。」とコメント。山本浩二監督は「8回の走塁はダブルスチールを行ってもいいというサインでした。」「この作戦は失敗か成功かだけですから、悔いはありません。」とコメントしている。



赤江 ・・・だから内川選手がねぇ、『自分のせいでした!』みたいな

大吉 なにを仰るやらぁ

赤江 ねぇ

小田嶋 あのー、指揮官の側は『悔いはない』みたいな、山本さん言っていますよね

赤江 はい

小田嶋 で、それはそれで立派な態度だと思うんだけど、あの、ここで私が、あの、ちょうど流れてきた田中角栄さんの

赤江 うん

小田嶋 関係なく聞こえるかもしれないんですけど、コレ読んで欲しいんですけど

赤江 はい。えー、田中角栄さんが、大蔵大臣に就任時の言葉と、いうことですね。じゃあこれチョット読ませて頂きますね。『私は諸君ご存知のように小学校の高等科しか出ていない。しかし世の中の経験は多少積んでいるつもりである。これからは、もし私に会いたい時は、いちいち上司を通してくる必要はない。こう思う。これはオカシイ。これを考えてくれ。なんて思うことがあれば遠慮せずに来てくれ。そして国家有事の現在、諸君は思い切って仕事をしてくれ。これは局長も課長も同じだ。ことの成否はともかく、結果の責任は全て大臣であるこの田中角栄がとる。』

小田嶋 この最後のね、『ことの成否はともかく結果の責任は全て大臣であるこの田中角栄がとる。』っていうこのセリフが非常に素敵だったっていうんで未だによく引用される言葉なんですよ。

大吉 ふんふんふん
赤江 ほぉー

小田嶋 で、このことを言ってくれる上司って、割となかなか居なくって、

大吉 うーーん

小田嶋 例えば、今回のダブルスチールは、『山本さんが責任を取らなかった』って言うつもりはないんだけど、とにかく走れなり・・

赤江 『お前の好きなようにやれ!思い切ってやれ!』ってね、選手が判断しろっていうことですよね

大吉 『行けたら行け!』みたいな(笑)

小田嶋 行けたら行けだと、選手の、責任は選手側にあるわけですよ。

赤江 うん

小田嶋 で、判断も責任も選手の側に・・・判断は選手の側にあってもいいんだけど、責任はオレがとるぞ!っていう構えで命令してくれた方が有り難いってことは、まぁあったりするじゃないですか。

赤江 はいはい

小田嶋 で、結構その、人に何かを頼む時にね、あるいは部下に何かを命令する時に『とにかくお前の好きなようにやれ。責任はオレがとるから。』って言ってくれる上司がいるか

赤江 うん

小田嶋 でもなければ『お前の判断でやれ。俺はとにかく見守っている。』みたいなことを言いながら、手柄は上司が一人占めして失敗すると部下のせいになっているみたいな形の人たちが居たりして。

赤江 あぁ。確かに良い上司ってそういうこと言ってくれましたよ。私もサラリーマン時代。

小田嶋 ですよね。


と話していた。
 
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